2012年04月19日

最終回

そろそろ日本の桜前線もかなり北まできたかな?


 先日、桜を見上げよう sakura projectについて、コメントを手書きで書くことがあって、思い出していくと、どんどん気持ちがあふれてきた。

結果的に、あのプロジェクトは、たくさんのニュース番組・新聞社などで取り上げてもらうことになり、いまでも反響がすごい。明るいニュースが少ないなかで 花が咲いた!っていうのがニュースになるなんて、ステキなことじゃないのかなと思っている。  おれも多少貢献はしたとは思うけど、たくさんの心あるメンバーが力をあわせてやったわけで、自分がやった、といえないからこそ、恥ずかしがることなく、誇りをもって自慢できます。 
 政治家にみてほしかったという、ちょっと背伸びした感覚と、とにかくたくさんのひとに見てもらい何かを感じてもらいたいという感覚があったのだけれど、そんなちっちゃな心配はあの桜の圧倒的なメッセージ力がぶっとばしてくれたように思う。

おれはアーティストではないから、あそこで美しい桜のアートを見せたいという気持ちじゃなくって、とにかくいろんな色や形がしたものがひとつになっている、ということが一番よかったといまさら思う。そういう趣旨やったから。。わらるやんね。 いまでも毎日あの桜の反響におどろいているが、まずは、あのひとつになった桜が、 自分のことを特別と思っているひとも、自分のことを普通と思っているひとも、結局みんな同じ。 そうだって言えばそうやし、そうじゃないって言えばそうじゃないってことを、教えてくれてるとおもったらロマンチックやな。
  運ぶ途中でちょっと花びらが傷ついた桜も、満開にはなれなかったけど顔をのぞかせてくれた桜も、 全然違う性質どおしの桜がくっついているのも、おれには全部おなじように愛おしく思えています。



花が咲くという現象は、ゴールではなくて、 花は古来から実をならせるための生理現象ということから、何かが始まる前兆の象徴とされてきた、とおれいつも言ってるけど、

この桜の季節、去年の日本と今年の日本では全然空気が違うと思わないすか。 きっと今年のみんなの桜を見る目を違ったはず。 花を見て美しいと思えたりかわいいと思えるのは、実は、その見るひとの精神状態に大きく影響するねん。 今年の桜は、みんなきっとすなおに”きれい”と受け入れれるし、 なによりまた、前に向かってはじまる象徴だと信じています。






最近はおれはずっと南半球で大仕事に没頭しています。
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もう帰る頃には今年の桜はみることができないと思う。さみしいなぁと思いつつ、だからこそせっかく日本にいてるみんなには一年に限られた時間しか見れないものに感謝して満喫してほしいと思います。

おれにも最近、転機が訪れました。

 たくさんの友達に薦められて書き始めたこのブログ。大げさやけど、”決して世に出してはいけない仕事”といわれてた花宇の仕事を差し支えない程度にすこしだけ書いてきた。 当初は、花宇がHPを持つと計画しただけで、泣きながら”それだけはやめてほしい”といわれたくらい、嫉妬されていたのもわかっていたし、おれたちが数ある花や植物の仕事の陰で動いているということを、別に世に発表したかったわけじゃなくて、なんというか、舞台裏から業界を眺めてきて、そろそろ限界にきているし、なにが大切かっていうことを知ってもらわないと、と思って大真面目に書いてきた。

 デザインを頼んだ友達がたまたまつけた ”plant hunter” という題名。 自分でも”さすがに大きくでたかなぁ”と思いながらも、”おれの個人のブログやし、まあいっか”と最初は軽い気持ちで書いていたんやけど、 ”命を懸けて植物を収集する職業をplant hunterと呼ぶなら、いっそのこと、この世間に知られていない伝統ある貴重な職業をすこしでも理解してもらえたら”、と思って書くようになり、  いつの間にかおれの人生を変えるほど大きなものになりました。 本当に得ることが多くて。 
 でも始まりがあれば、終わりもある。  いろいろ考えた結果、今回で、このブログも終わることにしました。

 いつも、出稼ぎから帰って、花宇に着くと、”よくこれだけの仕事をこの人数でこなしているなぁ”とつくづく自分で自分の会社がすごい会社やなぁと思う。(そりゃ社長と正二と藤原と、浜田さんのおかげなのだけれど) でも、これからは、本物の花宇の仕事はやはりもうすこし奥の引き出しに大切にしまっておくことにしようと思う。


 このブログを通して、たくさんの方々に応援してもらい、出会いがあり、本当に本当にやってよかったと思っていて、毎日 大好きな植物のことばかり話せたし、時にはストレスを発散させたりもしたし、たくさんの大切なひとが登場したし、自分の孤独感を自分で癒した日とか、ダイヤモンドみたいなエピソードもたくさんあって。 人の運命をたくさん変えちゃったりもした。 責任も愛もたっぷりや! って感じだけに、それだけ思い入れのあるこのブログを終えるのは正直寂しいです。
 
 
けど、 ”はじまらなければ、終わることもないのかな。。。”と思いながらも、はじめたからこそいま、終わって気づくこともたくさんあります。 植物や人との出会いの日々の記録は、まさに自分の人生にちょっとした花を添えてくれたきっかけでした。 




最近おれ、 運気について考えるようになって、  
 ちょっとしたことが転機が降りてきたこともあって、両親からもらった ”清順” という名前がすごいパワーを持っていると知りました。   仏教の考えかたを真剣に教えてもらう機会に恵まれ、提案をいただき、改名ではないんですけど、これからは、苗字をとり、”清順”という名前でおれもまた、より一層がんばっていきたいと思います。むずかしい話はおいといて、 まあいうたら、清順で呼んでな〜、というだけなんですけど。

 


終わったら、また新しい世界が始まる。花が咲いたあとには、なにかが始まる気がして。おれはまだまだよちよち歩きやけど、確実に前に進んでゆきたいと思っています。 



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  実は、すでに4月1日より、あたらしくなった日記をずっと書いていて、 笑

またそのうち公開するので、 なんとなく見つけてほしいです。
どちらにせよ、おれは一方通行、花の奇跡を信じないひとはみてもしょうがないかもしれない話かもしれませんが、これからのこの人生も、変わらず、全部植物に捧げていく覚悟ですのでよろしくおねがします 清順 拝

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posted by seijun at 08:39| for dreamer , 男の夢とロマン

2012年03月03日

牧野富太郎という、巨人

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日本列島・桜探しの旅は寒いところから順調に進み、昨日今日では徳島県・高知県・そして地元兵庫で桜を採集した。 

 徳島では日本を代表するビッグウェーバーの櫛本喜彦さんから桜を分けていただいた。いつもサーフィンにくる海はとてもおだやかで桜に登っていると暑かった。

兵庫県では淡路夢舞台・奇跡の星の植物館のプロデューサーの辻本智子さんから。荷造り作業まで手伝ってもらった。でかい桜をゲット。

 そして、忘れられない衝撃が高知で。 


 
牧野富太郎さん。


牧野植物園はおれにとってずっと聖地。


おれがここでいろいろ言っても、牧野植物園のそのとてつもないすごさは伝わらない自信があるので話さないことにするが、、、

 とにかく、そこで”センダイヤ”という牧野さんが名付けた貴重な山桜の枝を分けていただいた。
その後、広報の小松さんという熱心な方に園内を案内してもらいながら牧野富太郎さんの話を聞いていて、その衝撃があまりにも強烈で、というか正直、ショックにも近いものがあって。

 
牧野富太郎はかっこよすぎました。


おれね、この業界で働き始めて 

 いろんな大人を見てきたんやけど、


 花や植木に一生を捧げるかっこいい大人の背中もたくさん見てきたけど、 ”こういう大人にはなりたくないな”と思える大人もけっこう多かったように思う。 特にいけばなの世界にいる大人は舞台裏からみていると、義理人情は欠落していて金もうけばかりかんがえていたり、うわべのうそばかり並べていたり、殻から抜け出せないダサい大人が多かったり。

でも最近はいろんな人との出会いもどんどん増えて、”この人かっこいい!” と素直に思える大人に出会う機会が増えた。


 一般的な話で、 大人たちが”近頃の若者は。。。”とよく考えることがあるとしたら、

 逆におれたちみたいに死に物狂いでなにかに打ち込んでいる若者もまた、ある意味、若者目線でいつも鋭く大人たちを見ているもんだ。 

 
  で、そうやって日本を動かしているかっこいい大人が、おれのような若者にすっげえ刺激を与えてくれてると思う。    牧野さんもまさにそんなひとでした。
 


 
 
 


  牧野植物園の資料館で、初めて牧野さんのことをすこし触れて、本当に大切なことに気づけたような気がする





 ” ちっちゃく生きるなよ!  ”

 
と言われている気がしました。




とにかく牧野さんはあまりにも知的で、センスがよくて、ど変態で、努力家で、情熱の塊りのひとだ。
 
 カタカナ表記の”プラントハンター”っていう仕事は彼のためにあるのだと思う。

 さて、そこでおれ自身を考えてみた。

時代も移り、たくさんの新種の記載がすでになされている現代で、新種を発見することはもう誰も彼に勝てる確率はない、だからこそちょうど思っていたとおりおれは違う分野で勝負していこうと思う。 プラントハンターの仕事って、新たな植物を発見するだけではなく、これからの時代は植物の新たな可能性や魅力を発見することも重要だっていうことを。




 
 もうひとつ。 牧野さんは生前、 ”本当に植物が好きな人間は最終的に植物園をつくるべし”という言葉を残していたけど、 牧野さんがこれだけのものをすでに日本に残しているんやから、


 思ったとおり、 やはりおれには、まずはいま準備を進めている全く新しいタイプの植物園の立ち上げに精進するしかないな、と改めて思った 

最近いろんな場所で、秘密のプロジェクトを同時進行でやっているけれど最終的には全部つながっていくんやと思う
posted by seijun at 23:31| for dreamer , 男の夢とロマン

2012年02月25日

旅 桜 人 日本




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飛行機を乗り継いで全国を旅し、おれの運転するトラックのここ2週間の走行距離は2400キロを越えた。 もうすこしだ。



 いま、47都道府県を旅して、思い思いのつまった桜を集めている。



北海道から南下してきて、 宮城県や岩手県では花を使った支援活動をしている方々と知り合いが多かったりしたことと、 津波の最高到達地点に桜を植える桜並木プロジェクトの桜野さんhttp://sakuranamiki.jpn.org/の協力のおかげでたくさんの桜の枝が集まった。 気仙沼から南三陸へ、石巻や、また北上し、陸前高田へ、そして大船渡。東北の方々、みな、温かかった。



 
 ひさしぶりに花宇にかえってくると、激務をこなしつづけてくれているうちの面々と、仕事場や開花調整の温室に山盛りになった花や木が咲いたり、出荷待ちの開花調整された花木が山積みになっていて、ああ、おれだけじゃないなと思った。


おれが毎日安心して前線で走りまわれるのは、後衛してくれているベテランスタッフのおかげだと毎日思う、親父も最近 相当気合がはいっているみたい。



 この歳にしてはいろいろな国に行っていろんな文化に触れれる機会があるほうやと思うけど、最近は世界中を旅すれば旅するほど日本への愛情が深まる。

 
雄大な阿蘇村のふもとで桜に登りながらちっさくてかわいい電車をみた景色も、北海道で深い雪に埋もれている桜を掘り起こした日も、みなに見守られ津波に耐えた桜に登って枝を切ったあのときも、箭内さんが一生懸命のこぎりを引いている姿も、ビジネスホテルで毎晩桜のことを考える日々も、見ただけで涙がでるような美しい冬の猪苗代湖も。 あの滝桜に誓ったときも。


日本はそのときそのときの四季があり、その季節とともにその情景と花に出会えることはすばらしいことだと思う。


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この旅で、気仙沼の清涼院というお寺の住職さんが言ってたことにおれは胸を打たれてさ、それがいまでも忘れられない。

 ”毎年春になるとみんなこの桜の下に集まって花見をして宴会をしてきた。去年は震災があって、花見をするかどうか迷ったけど、結局みんなで集まって花見をした。  きっかけは不純だっていい、大切なのは人が集うこと。いいことも悪いことも、誰かと話しができるのは生きているからこそ。”

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集めた巨大な枝を温室に入れたり適切な場所に保管し、きたるべき日に花芽をあわせていく

先週は沖縄の仲間から、咲き終わっているはず沖縄の桜のなかから、奇跡的にまだ咲いていない桜の枝がたった2本空輸で届いた。 いまは冷蔵庫に咲かないように保存している。

 
 みんなが集まる理由に、春の桜、しかも一足早く47都道府県の桜が大きくひとつとなって一斉に咲くのを見に行こう、というほどいい理由はないのではないんとちゃうか。 

 現代のプラントハンターの仕事は植物を探すだけではなく、その植物や花の価値をも、再発見し伝えることも仕事のひとつだと思う。

 前代未聞の難題に挑戦するうえで、ましてやそれがすこしでも支援につながるのなら正義感を差し引いたとしても、おれは明日も真剣に桜のことを考えたいと思う。

posted by seijun at 23:14| for dreamer , 男の夢とロマン

2012年02月18日

全国桜行脚


宮崎県・母智丘公園ニテ

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熊本県・南阿蘇村ニテ
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長崎県・大村市ニテ
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佐賀県ニテ




九州中を走り回って桜を集めたあと、次は北海道から日本列島を順に下っていっている。


実はいま ものすごいやりがいのあるプロジェクトに燃えていて、それで日本中を旅することになった。

各地でいろいろな人に世話になりながら、ひとつひとつ思いのある桜の枝を集めて旅をしている。



去年 博多阪急の桜プロジェクトでのご縁で九州では桜島中学校の校長先生にお世話になり、宮崎県では桜の公園100選に選ばれた都城観光局さんが去年のように母智丘公園の桜の枝を快諾して提供していただいた。桜日本一を目指す熊本県南阿蘇村では、おれの著書にもでてくる熱い村議員さんを中心にでかい枝をわけていただき、長崎では急なお願いにも関わらず大村市指定の公園で去年に引き続き大村桜の枝を。ありがたい。 鬼気迫る勢いで桜を探しているおれを見かねて佐賀県では夜にも関わらず有田さくらの会のひとから彼岸桜の枝を切らせてもらった。丁寧にはしごまで用意していただいて。。。木に登るのは日常やけど、逆にはしごを使って木に登るのは非日常でうれしかった。 


そして北海道

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2.5mの積雪のなか、北を代表するガーデナーの梅木あゆみさんのもとへ
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梅木さんの協力により、北海道ならではの蝦夷山桜を切りに吹雪のなかをいくことになったが、




実は、おれが北海道に行った日は、吹雪で大荒れの悪天候。 地元でもめずらしいくらいの積雪と悪天候で悪魔のようだった。 車を運転していても吹雪かれると視界が1m。地元のひとも出掛けないなか、車を走らした。例年に比べものすごく寒くて雪が多いらしい。また、おれが目指した場所はそのなかでも最も条件の悪いところだったらしい。 

路上では視界が悪すぎて立ち往生している車を何台もみた。 交通事故にあったいる車も。 

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運転してくれたライターの藤川さん。よくがんばってくれたと感謝しています。

実はおれたちも交通事故に遭った。 怪我はなかったが、事故を起こしてもわけがわかならいくらい天気が悪かった。 

  
  おれ自身、25歳くらいから急に無事故やったけど、それまでの人生では交通事故9回、車をぶっ壊したこと5〜6回くらいと散々な人生で、 なんと言うか、目的に植物を得るためには交通事故ぐらいしかたない、という考えは捨てがたいが、今回は人に連れてってもらっての事故なのでおれもさすがにへこんだ。

 


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大きな木にならない独特の千島桜は、雪を1m手で掘って切りだした。






 昨日から、東北を回っている。トラックで被災地を回り、とにかく趣旨に賛同していただいた方から桜の枝を集めている。

 現在このプロジェクトのために何十人いや、それ以上のひとが桜を集めてくれている。

  おれ自身、毎日涙ものの出会いがあったり、強烈なことがあったり、この激しさはなかなかブログでは伝えきれない。 



posted by seijun at 00:27| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年12月19日

代々木ビレッジ できるまでの背景

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1、世界中の、その国ならではのおもしろい植物たちを集める

2、自然の摂理にできるだけ反して植栽する

3、土の中を工夫する

4、いままでだれも手に入れれなかった植物を使う

5、いわゆるランドスケープデザインをしない

6、季節によって変化するコンテナガーデン

7、2階はまた全然別の仕掛け・ヤシの魅力

8、まだ未完成



代々木ビレッジにおいておれが言いたいことです。 以下、説明。




 
1、世界中の、その国ならではのおもしろい植物たちを集める →
 庭というよりは植物園、もっというと動物園に近いイメージ。もしくは本物の図鑑のなかに入ったようなイメージ。いろんな植物の標本を並べて植えている。  日本中の植物を扱ってるひとには、植物サンプルとして見せたい。 海外に出掛けられなくなったお年寄りには、見れないはずの遠い国のステキな植物を見てほしいし、まだ海外に行ったことのない学生には世界は広いって知ってほしいし、子供には、植物がでっかいってことや、気持ち悪かったり変だったりすることなど、植物のおもしろさを伝えたかった。 
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2、自然の摂理にできるだけ反して植栽する →
 自分が重きをおいたのは、とにかく植物に対して意識を高めてもらうこと。例えば、ニューギニアの着生植物のむこうにカナリー島の竜血樹が見えて、そのよこにブラジルの国花があって、その横にメキシコの巨大なダリアがあって、その横にインドの仏手柑がいる。。。 出会うはずのない植物が共存していることで、見た人が”大丈夫?”と心配してくれたらおれの作戦どおり。その時点で植物に対して意識を高めてるってことやから。 結局、そういう作戦の結果のみてくれがファンタジックに見えるわけです。っていうか大事なやつはたぶんそのうち、あそこで挿し木をしたり取り木したりすると思う。笑  目的は枯れさないために庭をつくるのではない。 おれは真剣に植物をやっているからこそ、植物を仕事にしていること=枯らしてしまうこと っていう事実を認めて、安易にかわいそうっていわない分、みんなに興味を持ってもらえるように努力すべきと思っている。    そりゃ自分の持ち出しで結構栽培実験もしてるものも多いけどね!
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3、土の中を工夫する→
 そんなに大したことじゃないねんけど、熱帯地方、砂漠地方、潮風の強い地方、寒い地方。。。この足で世界中を回って実際に見てきているからこそわかることもある。 いろいろな植物を植えるときに、その特徴をよく理解しているとちょっとした見えない工夫が効いてくるということ。 
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4、いままでだれも手に入れれなかった植物を使う→
  これははずせない項目になります。せっかくいままでずっと本物の仕事をしてきたから、なんというかちょっとチャラい意味で庭が評判になるのも嫌やった。だから日本中のおれ以外の植物園や植物業者が全員手を組んでも、代々木ビレッジにある植物全ては絶対集めれない、と断言できる植物構成にしてみた。   専門家であればあるほどわかってもらえると思う。 とにかく本当におれが植物集めることに対しての、(あまりだれにも理解されないけど)気の遠くなるようなくらいにでかいプライドを持っていることを暗に証明したかった。
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5、いわゆるランドスケープデザインをしない→
 たまたまクリエイティブなことが苦手で、ましてや、なにかをデザインとかできないので 植物で庭を作るというよりもただ、”記憶の残る庭”にしたいと思った。 (どっちにしろ、調和のとれたお洒落な庭なんて今回はしたくなかったし笑) また、自分が世界中で見た美しい植物の景色、自然美をみせたいという気持ち。
  きたひとが 家族連れでも、カップルも、お年寄りもみんなが来てたのしめるようなイメージ。   オープン後、事務所にいたら70歳くらいのおばあちゃんがたずねてきて、ドアを開けて開口一番、”こんなに珍しい植物を見れて生きてて良かった!” と言って、その瞬間スタッフともども、”これは成功したな”とちょっと確信。
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6、季節によって変化するコンテナガーデン→
  レストラン周りは季節により植えている植栽を代える。  春は、桜や桃、梅に藤。。。日本を代表するような花木が咲き、夏はバナナやマンゴー、パイナップルなどトロピカルガーデンになり、実りの秋は、実のついた樹がならぶ、 冬は針葉樹を中心にクリスマスや正月を意識する感じ。 代々木ビレッジでは植物の世界観とともに季節感も感じてほしい。 ごはんを食べながら季節を感じる庭を見ることが贅沢と気づいてもらえるように。何度来てもたのしんでもらえるように。 
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7、2階はまた全然別の仕掛け・ヤシの魅力→
 ヤシほど、長年変わらず人の生活に密着してきた有用樹も珍しい。熱帯では葉を屋根やロープにしたり、幹は柱として利用し、実は食べたりジュースにしたり。 もちろんヤシ油も東南アジアを支える重要な産業になっている。 有用すぎるがゆえに熱帯では大規模プランテーションが増えすぎて問題になっているくらいで、それはおれたち人類がどれだけヤシの有用性に依存しているかということを世界規模のスケールで物語っている。    ヤシの仲間は世界中に分布しているが、その国の気候や風土に影響されていろいろな形をしていておもしろい。 いままで日本の園芸業界の植物園や業者さんたちが過去何十年、がんばって日本の気候になじむヤシの導入に成功したのはほんの数種類しかなかった。 それを数年で十数種類の日本の気候に育つヤシの導入に成功したので、それを2Fのテラスに植栽している。また、用土も本当の土ではなく、マットやロープを製造するインドのココヤシ工場で出る残りカスを棄てずに熱処理し用土として利用した”ヤシガラ”を輸入し、使用している。 プランターも特注で、ヤシのオブジェ的な姿を活かしたり、普段と違う角度で植物を見るとまた違った美しさを見えることを証明するために斜めに傾けたりできる丸い鉢にした。傾きはとりあえず地球の傾きと同じ角度にしてあるが深い意味はない。プランターのことを考えるのは本業ではないので結構面倒くさかったが、仕上げの質感を高めるために素材の樹脂のなかにもヤシガラが入っている。つまり2Fにあるかわいいヤシのオブジェはすべてヤシヤシヤシでできたものである。


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8、まだ未完成→
 これからは自分の趣味として、いろいろ植物を足して遊びたい。 そして、来年春過ぎに、シンボルツリーとして、南半球からとんでもない木を持ってきます






とにもかくにも
代々木ビレッジのプロジェクトについて、おれ個人にとって一番あたらしかったのは、 なんといっても自分の名前で植物を世間に出した初めてのケースだったということに尽きるなぁ。


 
おれの仕事は植物を卸す、卸業やから、  自らぜったい植物や花をつかって作品をつくらない、つくりたくないという意思がものすごく強い。  だから過去にも”これが花宇の作品です!”っていう作品がない。  
 あくまでだれかプロのためにただ植物を用意する卸屋やから、世間に発表できるものはひとつもなくて当然なわけです。 




最近よくインタビュー  で  ”過去におこなった主な仕事や手掛けた有名な場所の写真をください ”と言われるんやけど、
 
”いやいや植物を売ってお金をもらった時点で、その植物は買い手のものになるし、おれは卸屋やから、おれの仕事なんてひとつもないですよ”  と答える。

さらに、

”おれの実績は 日々の植物卸業務です。” 

といつも答えます。


やはりいつも卸屋ってなかなか理解されない仕事やと思う。
 別に自分の名前の残る仕事がすべてやと思ってないし、だれにも真似できない仕事をやってるんやったらそれでよいやんね!

おれは自分のお客さんがいい現場で自分の用意した植物を使っていい仕事をして、世間がそれを喜んで、それを影で見守って、”やっぱりおれの植物は最高だ” とひとりでおのぼりさんになるのが好き。


 


まあとにもかくにも、代々木ビレッジの植栽はおれの名前で出した初めての植物たちです。 予想以上の反響で素直にうれしく思うが、あそこができたのは今回の依頼主である小林武史さん、そして長年支えてくれているうちのスタッフたちのおかげということを強調したい。 

 代々木ビレッジのプロジェクトにあたり、実際は、おれもこのプロジェクトで一度迷いがでたこともあった。 秋は全国に花材を卸すすごく忙しい季節やし、効率的に考えても一般的に考えても、さすがにある程度、統一性をもった庭にしたほうが、きれいに見えるし、工事もやりやすく段取りがよい。やはりそうしたほうがいいのかもと思ったこともあった。



ある日 中間プレゼンで、そういうことを小林さんにちらっと言ったら、

”らしくないなぁ、 もっと君らしく思いきりやってよ” 

と一言。


実際 仕事の依頼を受けるときにある程度お任せでやらせてもらう機会も少なくないが、今回のようにたくさんのひとが関わっているプロジェクトで、今回のようにおれのやりたいようにやらせてくれる人は少ない。

 代々木ビレッジの庭はあのときの一言でおれは背中を押してもらって、できたわけです。 要はおれとなにができるかは依頼者次第やなぁと思う。その時その人に合わせて卸屋は植物を段取りする。
あのおもしろい場所ができたのは小林さんの時代をみつめるプロデューサーとしての感覚と、人の能力を活かすセンス、そしてキャパの大きさのおかげだ。
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 代々木ビレッジの植栽は、まだまだ秘密があって、いろいろな仕掛けがしてある。
 年数が経つと発揮するものや季節によっても表情がちがったり、8年間だからこそできたこともある。 おれは先を急ぎすぎているので、いまここで自分が考えてることを全て話すのはちょっと到底無理なので、最初は理解できないことも多いと思うが何度もたずねてまずは植物のことを好きになってほしい。

posted by seijun at 00:37| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年11月13日

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”この木はまだまだ子供である” 成長するとこの5倍の大きさになる。ノアの箱舟の材料となったのも実はこのなかまで、本種は、そのなかでも極端に細長い ストリクタ  という品種である。 


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”植物界のパンダ” とまで呼ばれる木の搬入。 この木は、初めてジャイアントパンダをヨーロッパへ連れて行ったとして有名な宣教師、ダヴィッド神父の名前にちなんで学名も付けられた。 5月にすばらしい花が咲くが、大きくならないと咲かないことからまだまだ日本でも大きな木を見れるところが少ない。


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”パプワニューギニア”やインドネシアなどのジャングルには摩訶不思議な植物が多くあるが、その代表格といっていいのがこの植物。熱帯アジアから亜熱帯アフリカにかけて広く分布するが、本種は最も寒さに強い品種のひとつ。


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”公害樹”というあだ名がつくほど、成長が早く、大きくなりすぎる木として有名。家庭の庭に植えたら数年後大きくなりすぎて隣近所から日照権などのトラブルになることもある。ニコールキッドマンがプライベートを守るためシドニーの自宅の庭の周囲にこの木を植え、近所の住民から"大ブーイング"がきたという逸話を持つ。

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ハゲを治すエキスを持っている奇跡のヤシ。


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”性なる木” と、呼ばざるをえない。 英名でchaste tree つまり 清純な木といい、ハーブとしても名高く、月経不順など女性のさまざまな症状に効果があることから、かつてヨーロッパの修道院によく植えられていたいた。しかしその一方で修道院に植えられたその本当の理由はこの実を食べると”性欲が失われる”からである。 あまり普及してほしくない木である 




いま、こういった感じで、世界中から、各国代表のおもしろ植物たちを、18日オープンの代々木ビレッジに一同に集めています。 

世界数十カ国から、おおよそ100種類くらいです。 




代々木ビレッジは、ミスターチルドレンやサザンなどの音楽プロデューサーであり、クルックやAPバンクなども主宰している小林武史さんがプロデュースする、まったく新しい商業施設です。 

場所はJR代々木駅からおれの足で徒歩28〜32秒くらい。
 東京の一等地にできる600坪の複合商業施設で、 ガーデンモールみたいになっていて、園内にはいろいろなテナントがあり、レストランもある。 贅沢にもそのうちの300坪は屋外庭スペースになっていて、そこには世界中の各国代表の植物たちが育つ


 またこのプロジェクトには世界的インテリアデザイナーである片山正通さんが内装デザインと、景観のディレクションをやっていて、

おれはお二人から植物担当として指名をしていただき、大事に進めてきたプロジェクト。






植栽スペースや人の流れる歩道などは片山さんとのセッションのなかで生まれた。

まず今回のプロジェクトを進めるうえて、片山さんとのおれがすごく勉強になったのは、片山さんの仕事の進め方。


何度かの打ち合わせしか時間がないなかで、東京で打ち合わせている時間が本当に無駄がなく、会う度にびっくりするほど話がすすむ。 

”なんというスピード感”と感心した。 一流の世界目線で仕事をやっているからこそやなぁと思った。 


 このプロジェクトに関して準備を進めていき、そしてとうとう小林武史さんへプレゼンの日がきて、
 
 あの有名なワンダーウォールの模型を駆使してプレゼンをしてるのを目の当たりにして”すげー”と感心してしまった。

   



これが代々木ビレッジの全貌です。 
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写真提供wanderwall

http://wonder-wall.com/#project/en
http://blog.honeyee.com/mkatayama/


片山さんのプレゼンは、本当にええものを見せてもらったと思った。 その後、おれの植物プレゼンの番やったけど、 さすがに片山さんのプレゼン後は辛かった! 
 なんというか、カラオケでうまい人が歌った後にマイクが回ってきたような気分で。。。




ところで


 代々木ビレッジには、各国を代表する植物が見れるようになっている。 

庭、というよりは、うーん、公園でもなく、植物園でもなく。。。 どちらかというと動物園みたいにしたかった。   
  自分が旅先で出会って、実際さわってたり感動した植物の標本が並んでいるような。 たまたまデザインは苦手だったので、調和のとれたお洒落な庭を作るつもりはなく、そこは卸屋らしくしたかった。


”まるで本物の図鑑のなかにはいったような感じにしたい”とずっと言っていた。


 メキシコのサボテンの横に中国のバナナが咲いていてその横にアンデス山脈に生えるパイナップルがいるようなイメージ。世界一巨大になる竹や、食虫植物、ブータンの花、竜血樹に、目玉焼きの木に、4mのダリアなどが共存。。。

 まさに花宇の植物置き場みたいにざっくばらんにおもろいやつらが並んでいるイメージ。
世界中の個性たちがひとつの場所で仲良く暮らしてるようなイメージ。これだけの植物たちが土の上で暮らせるということの証明もふくめて。


 世間はクリックひとつで買える植物で構成された空間が多い。
そうじゃなくて、まるで植物たちのバンドのように、それぞれの個性が豊かなメンバーを集めた。

 
あれだけの東京の一等地に植物がこれだけ見せれる場所なんて、なかなかないだろうし、くさったいなものを植えるのは申し訳ない、本物をちゃんとみせたいとおもってる。(ちょっぴり植物ショールーム的にもなっている。)


植物に興味がないひとも喜んででもらえるようにと、 その逆に植物にくわしい専門家ほど、”よくこれだけの植物を数ヶ月で集めたなぁ”とレベルの高さをわかってもらえるようにもなっている。
また、その植物たちの見た目よりも、正直、その植物の文化背景やそこにたどり着くまでのストーリーのほうが重視しているところもある。

 また、奥の広場には、季節毎にコンテナ植栽をがらり代え、季節感の変化をたのしめる庭になっている。

世界の植物(世界観) プラス 季節の出会い(季節感)  バンドのような個性たち。



たどり着いたキーワードは ファンタジー。 





代々木ビレッジは、他にも多彩な方々・企業が関わり、すごくおもしろくなると思う。 8年間という期間限定ではあるけど、きっといままでにない場所になる気がするなぁ。 

http://www.yoyogi-village.jp/top/



片山正通さんが手掛けた店舗は必ず繁栄するという。  

おれも自分が携わった植物が植えられたり飾られた店舗が必ず繁栄すると言われるようにならなければ、と思います。 







*代々木ビレッジについては、 今後のおれの動きもいろいろあり、これからそこを基点に都内の植物業者さん、花屋さん、フラワーデザイナーさん、華道家さん、造園家さんなどと連携と強化しいろんなことをやっていきたいと思っています。 まだまだ話があります。 またねー。おやすみ









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2011年09月26日

エデンの園に咲く花か

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今年の早春、長年思いをはせていたソマリア沖に浮かぶ孤島 ソコトラ島へむかった旅の話です。




 あの島で、おれの心を奪った植物はたくさんあったけど、その中でも最も印象に残っているのに”砂漠のバラ”と呼ばれる植物がありました。





ソコトラにむかうには、ドーハで乗り換えてイエメンの首都サナアを目指す。 ドーハで待ち合わせたのが、パリで世界的な美術館がその写真をコレクションしたり、雑誌など多方面で活躍する写真家・宮本敏明さんだった。

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仕事中の宮本さん



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ちょっとダンディーな宮本さん




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宮本さんと運転手さん




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宮本さんにたかってきたおっちゃんたち






通称”砂漠のバラ”は

 学名をアデニウム(adenium) と言って、
園芸の世界でもっともポピュラーな種類はアデニウムはアデニウム オベッサム  adenium  obessum といって、日本でもたまに観葉植物として出回る。
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(こんなにかわいいのになかなか定着しないのは、寒さに弱いのが主な理由と思う)  写真のものは過去におれが輸入したもの。






アデニウムには、最初の写真の、 世界でもソコトラ島にしか生えないアデニウム・ソコトラナムという固有種があって、いま一番アデニウムの種で値段がつく、世界中のプラントハンターの憧れの品種である。

ソコトラナムは、    アフリカ、中近東に7,8種類ほどあるアデニウムの種類のなかで最も大型になる、劇的に かっこいい品種である。




ソコトラ島は、宮本さんと三木さんと男3人で旅をしたが、ここが本当に地球か!?と思えるような、独特の植物が形成する景色に何度も悶絶しそうになった。


おれたちが宿泊したのは、いちおう”ロッジ”という名の、フェニックス・ダクテリフェラという椰子の葉でできた掘っ立て小屋で、浜辺にあった。  宮本さんが”これじゃあさすがに機材などのセキュリティーが。。。”と言っていたので、 ロッジのひとが”これを使って”と鍵の代わりに渡されたのがただのヒモ。
これを小屋の扉に鍵代わりに結んでおけばセコム要らずだ。


 メシは毎日ロッジで食った。   毎日毎日、辛くないカレー、魚、そして生野菜。  島にきて4、5日経ったある日、宮本さんが ”たまには町に行ってレストランで晩飯を食おう〜”っていうから、さっそくガイドのひとにそう伝えると、
"なんでわざわざ レストランで食べたいの? どこでたべても同じメニューなのに” 

と不思議がられてしまった。 

そう、ソコトラ島では、みな一年中毎日毎日 魚と辛くないカレーを毎日食い続けているねん。  いやぁ なんというか、すばらしい。 肉はほとんど食わないらしい。 
おれに言わせてみたら、ソコトラ島の男こそ、本当の草食系男子といわざるをえない



ソコトラでの旅の様子は過去のブログと 宮本さんのHPで見れるので要チェックです。



http://www.miyamocamera.com/miyamosky/1003-01.html


http://blog.hanau.jp/article/43440799.html

http://blog.hanau.jp/article/43516904.html

http://blog.hanau.jp/article/43561207.html



イエメン本土を旅したときは、首都サナアから南へ、途中タイズという町へ向かう山道のルート、そして紅海側つまりアフリカ側を走らせた。 サナアから東へむかうルートは危険でひとがバンバン殺されているときいた。

  途中何度も検問があり、 あやしいアラブ軍人がウロウロしている。 ジープの屋根にショットガンがついたやつを乗り回しているやつらを見ると、そんな光景は映画の世界のなかだけかと思っていたけど、なかなか実際見てみると気まずいもんやなぁと感心した。
 
おれたちが旅していたときちょうどタイズという街に着くと、町の中央に数え切れないくらいのひとが集まってみなで雄たけびを上げていた。その異様な風景はなかなかのもんでした。エジプトのムバラク元大統領が辞任したその直後と知り、そのエジプト革命の瞬間は帰国した後ニュースで何度もみることになる

  山道でサンスベリアやアロエなど金になるやつを探していたときにたまたま見つけたのが、アデニウム アラビカム という品種だったと後から知った。 そうそう今回輸入したやつと同じ品種。 アラビカムは花は派手ではないが、奥ゆかしさがあり、アデニウムのなかでもソコトラナムについで個性的な形になるいい品種である。また寒さにも割りと強い。

 そういえば、あのとき荒野でみつけた野生のハイビスカス、花宇の温室で元気に育っています。また、おいおい花が咲いたら自慢するのでそのときはよろしくです。





いろいろありましたが、あれから半年、 海外のいろいろなルートを模索しているうちに、  アデニウム・ ”アラビカム”の個体を手に入れれるルートを見つけた。 今日はそれを書きたかった。
   

一ヶ月ほど前にアラビカムの大物を無事輸入に成功、 ココピートとまさ土に植えて、数週間。




花宇で花を咲かせました。

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すばらしい。  





やっぱり花宇はこうでなくっちゃ。 


ちびアデニウムもあるでよ。


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実は、おれはいまごろアフリカのスワジランドに行っているはずだった。 チケットも準備も整えていたが、インドネシアから輸入した千数百株の貴重植物の植物検査と書類検査の合格がなかなかとれず断腸の思いで旅程をキャンセルした。    (ちなみにその後ようやくインドネシアの植物たちは花宇へ到着しすでに植え替えられた。 )



スワジランドにはなにがあるかというと、 アデニウム スワジカム (adenium swazicum) という、スワジランドにしか生えていないアデニウムがあり、 この種は世界でもっとも寒さに強いアデニウムで、ー5度まで耐えるという情報をとあるルートで手に入れたアデニウムの専門書を見て知った。 自生地もだいたい割り出せたので、今を回のメインの目的はこのスワジカムの種をさがしにいくことだった。  
 世界は広く、まだまだ人が感動する美しい植物がたくさんある。今回は非常に残念やけど、次の機会を狙いたいと思う。 また、近い将来 条件があうオファーが来たら世界の植物と写真集と出したいと思っている。









ちなみに、イエメンには アデンaden という古い都市があって、 adeniumの 語源になったと言われている。

その”アデン”は、 ”エデンの園”で知られる ”エデン”がなまって”アデン”になったという説が一部のヨーロッパの学者から通じて東南アジアのアデニウムの育種家にも広まっている。


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エデンの園がどこにあったかは諸説あるらしいが、すくなくともおれ自身は 遠い昔 ”エデンの園”はイエメン・アデンにあって、 そのエデンの園に咲いていた美しい花は、きっとキョウチクトウ科のアデニウムに違いないと信じている


posted by seijun at 23:47| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年09月21日

スカッとしてください


台風により今日の天気もさらに荒模様。

 
今日は本当は山に松を切りに行く予定やったけど、この悪天候によりしかたなく回避。

 うちの畑で花材を切っていたけど あっという間に長靴のなかに10cmくらい水が溜まるくらいの雨で、轟々と濁流が流れる川をみて、今日は山へいかなくてよかったなぁと思った。  なぜなら山の間の谷を通って登るルートやったので、大雨になるとその水が谷に全部流れこんできてエライことになる。 

 まあ 槍が降ろうが豚が降ろうが、やるときはやるのがおれのモットーやけど、さすがに危険のない仕事ではないし、みんなの命も預かっているのでこれからも判断を冷静にしないといけない。




ということで、 なかなか悪天候がつづくので、今日はみなさんに、スカッとする写真をプレゼントです。 

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試験栽培中のひまわるです。 天晴れやろ?



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これは花宇で交配してる巨大ひまわり。 半枯れの状態もまた、美しい。



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ほらほら、でかいでしょう

posted by seijun at 19:13| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年08月25日

おっぱいぷらんつ 

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と、ノリで呼んでしまったhttp://blog.hanau.jp/article/42311456.htmlステファニアが大人気でうちの事務所に残していた最後の一個も、お世話になっている人が譲ってほしいということで、なくなってしまってちょっとさみしい。 笑



普通、観葉植物というのはおおまかにいうと”飾ってたのしむ”か、”育ててたのしむ”のふたつの付き合い方があると思うけど、 この”おっぱいぷらんつ”はちょっと違うたのしみ方ができます。

猫や犬や、熱帯魚と生活すると その子たちの 仕草や動きが愛しいでしょう。  この”おっぱいプランツ”も似たような感覚があって、数週間でもあっという間に蔓がみるみる延びて全然違う印象になる。 そう 、こいつを見てると 動いてると実感できるというか、 伸びたら這わせてみたり、切ってあげたり、 一日単位で動きを見れるし、ペットを飼っている感覚に近いわけです。 


また、”飾ってたのしむ”感覚も ”育ててたのしむ”感覚も 見てたのしむという視覚的な要素がベースにありますが、 この”おっぱいプランツ”は それ以外に、”役にたてる”という要素もあります。

  いま流行の緑のカーテン。 窓の外にゴーヤなどの蔓植物を植えて陽を遮るというやつ、知ってるでしょう。 これっていまどこでも行われているけど、暑い真夏の日は毎日水をあげないとあかんし、管理が大変。屋外にスペースがないとできないやん。 でも ”おっぱいプランツ”は優秀で、写真のように這わせるものさえあれば 室内に置いていてもあっという間に緑のカーテンを作ってくれる室内型緑のカーテンにできる観葉植物やねん。  このペットはそうやって役に立つこともできる。


 世界には本当にいろいろな植物があって、たくさんの人にもっともっと伝えれたらなぁと思っています。 植物そのものを見つけるのがプラントハンターの仕事やけど、その魅力を発見することや、その植物の使い方を発見することすらも、また現代のプラントハンターの仕事と思っています。

そういえばこのブログに貼ってある”今日の花”(スタッフブログ)にもおれたちが扱っている植物が毎日ひとつずつクローズアップして紹介されてます。 せっかく日本一扱う植物の種類が多い会社なので毎日すこしづつでも紹介していければいいなと思って、みんなに始めてもらった。一日ひとつ、植物の名前を覚える人生を過ごしたらちょっと豊かになるかも知れないし、また見てみてください。(業者の方、出てくる植物に関する問い合わせもそれを元に言えば話がスムーズです)



ところで最近問い合わせの多い新種の観葉植物でおれが名付けた”オサメユキ” 
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いままだ農家さんのとこで1000株くらいしか増えてないので、もうすこしリリースを延ばそうと、パテントを管理してくれているFAJさんと話しています。
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このオサメユキは、俺が結婚するまえに名付けたもので、嫁さんの旧姓と白い葉っぱをかけて考えた名前です。
 もちろん新芽に白い葉っぱがでてくるのが特徴やけど、 それがたまに黄緑やったり、緑色が濃かったりするので、実は育てていてもつぎに白いのがでるか何色がでるかはわからないので、恋愛占いみたいにして使えるかもね。笑  白いのがでたら恋愛運向上!みたいな。 



とにかく、 これからおれが発見したり花宇がやっているオリジナルの植物には、メーカーのしるしとして、植物タグを付けて卸販売していきます。 


いままでにない園芸ラベルを、ということで デザインは中島英樹さんをご紹介いただき、お願いすることになりました。
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まちがいなく日本を代表するデザイナーです。 なんといったらいいか説明できませんが、とにかくすごいおっちゃんです!! 中島さんのデザインがこの業界にきたらすごいと思います。






話はおっぱいに戻るけど、

タイとミャンマーの国境あたりに生きるこの植物は 現地のひとが”ガオクルア”と呼んでいて、そう呼ばれている植物は  ”プエラリア ミリフィカ” と ”ステファニア エレクタ ” という二つの植物があります。 

現地のひとでも、見ただけではその”ガオクルア”がプエラリアなのかステファニアなのかを見分けるのは困難らしい。 

とにもかくにもプエラリアを画像検索してみたら、おっぱいの画像がたくさんでてくるし、サプリメントにもなる、”オッパイプランツ”と呼ぶにふさわしい活躍ではあるが、 おれが輸入したものはプエラリアではなく、ステファニア だった。 



ステファニアも画像検索したらおっぱいの画像が少しでてくるけど、ステファニアがおっぱいに効くかどうかという男の夢とロマンはさておいて、この愛嬌ある植物をまた手に入れれる機会が待ち遠しい。

posted by seijun at 03:39| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年08月10日

現実です。


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ファンタジーです。   






  これをやるときは、きっとまた孤独になるやろなぁ。  

でも、ちょっとだけ慣れてきた。  
posted by seijun at 20:12| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年08月03日

2011年07月28日

桜 本番まであと4日

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ちゃんと咲くかなあ 

http://bit.ly/qYBVAg
posted by seijun at 23:38| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年05月29日

小豆島ニテ

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あのときの樹齢1000年のオリーブとひさしぶりの対面。


http://blog.hanau.jp/article/42207260.html


http://blog.hanau.jp/article/43916922.html






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芽がでてた   涙





いままでどんな木であれ、樹齢1000年を超える木が1万キロ以上海を旅してどこかへ移動し、植えられ、そして無事育っているという記録は、すくなくともオレはどの国からも聞いたことがない。 


あれからこの木に会いに行く人が後をたたないと聞いている。 





 美しい木の下には人があつまる。
















と思う。






posted by seijun at 21:36| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年05月10日

とある先生と



今日、中国雲南省からミャンマーとの国境にかけてのまだ見ぬ植物について語りあった。 

  
 
posted by seijun at 22:52| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年05月04日

発見と創造



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おれがめちゃめちゃ好きな言葉のひとつに、
 

アントニオ・ガウディの 

”人間は創造しない、発見する” と言った言葉がある


 


 最高とおもいませんか。 





おれの仕事って、クリエイティブじゃないし、おれ自身、センスのかけらもない。

 だからなにかを創り出したりするのは苦手だ。




  けど、植物を発見することだけはだれにも負けない自信がある。

 

いけばなや、庭つくり、植物を使ったあらゆる空間装飾において、その素材となる植物は、真に植物素材そのものが作り手に発想をあたえなければならない存在だ。



 逆にいい花を活けたりいい庭をつくれるひとは常にいいものを見ている人、いい素材をよく知っている人が多い。 
 花や木そのもののことをあまり真剣に勉強せずセンスやデザイン画だけでは、自分の頭のなかにあるパターンの花や木しかなく、型にはまったスケール感から抜けることはむずかしいし、スケールに見合ったものは作れない。 だれの想像も、植物そのものの枠から超える想像はできないからだ。


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 ちなみにこれはガウディがpalmetto つまりヤシの葉っぱをモチーフに建築に活かしたサンプルだけれど、これこそ数年前からおれがスペインの提携農場で育ててもらっているヤシ、チャメロプス・フミリスというヤシだ。 

 チャメロプスは、普通のヤシとちがい、自然に盆栽風にコンパクトになる特徴と、雨の少ない地中海で育つため乾燥に強い。また寒さにも強いので日本でも簡単に生育する次世代の優良造園素材と思っている。 ちなみに毎回おれがこれを輸入するとすぐ売り切れ状態になる。 (ガウディヤシとでも呼んだろか!)

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 ところで サクラダファミリアを支える大きな柱には、感嘆した。 

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この美しい柱のモチーフになった木を知っていますか?



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プラタナス。

ちなみにおれはくわしく知らないがスペインにあるプラタナスは交配種らしい。 

そうそう、バルセロナの街路樹はほとんどプラタナスやったね。 街に植えられている街路樹の樹齢から推測すると、サクラダファミリアの柱はガウディが街路樹に植えられていたプラタナスをみて、それをモチーフにしたという可能性は低い。  建設が始まった時期より樹齢が若いからね。

 どちらかというと、若きガウディがプラタナスの幹の魅力を発見してサクラダファミリアの柱のモチーフとして用い、それにあわせて後に街路樹にプラタナスが植えられたと考えるほうがロマンチックだろう。




最近おれも建築関係のひとと話す機会も増えたが、建築家という職業は基本的に意識レベルの高いひとが多くいてる業種に思う。 そんなひとたちがさらに植物と関わりを持った建築の可能性を引き伸ばしてくれたらと思う。

  おれが世界中の植物からなにかを発見することで、どんなジャンルにせよだれかとなにかを創り出す発想のきっかけになればいいなと思う。






”人間は創造しない、発見する” とガウディが言った言葉は、裏を返せば、


 ”ほかの人が見てないラインを発見しまくったぜ!”      という自負と、
 ”本当の意味での創造という境地にちょっと足を踏み入れたのさ。”

というふうにも聞こえないでもない。 


いやー考えれば考えるほど恐ろしいほどの天才だ。





 
 
posted by seijun at 03:42| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年03月27日

松井さん、三木さんへ

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お元気ですか?


おれは今日は正月休み以来の終日休みで、16時間寝てすごく頭も気分もすっきりしています。

今回はほんまにおつかれさまでした。
 よく考えてみると二人が始めて花宇に来てくれたのは去年の夏でした。マダガスカルの変なこうもりらんの説明をしたの、覚えています。 



そして秋から三木さんとの蜜月(笑)の期間が始まり、あの陽光桜が咲くまでの半年間、昨日振り返ってみてたらあっというまやったなぁって感じです。  
めまぐるしくシーンが変わる植物の卸屋の毎日をよく辛抱して(?)取材してくれたなぁと思います。バレンシアではスペイン人とマジで激論を繰り広げるおれを見守ってくれたり、時にはタイの田舎で一緒に食中毒になってくれたり、時にはマイナス10度にもなる長野県の山篭りの5日間の密着。 香港では日本文化に触れ、屋台ラーメンも食いました。  時には花業界のグチを聞いてもらったり、時には植物とこれからについて暑苦しく語りまくるおれに耳を傾けてくれたり。 九州を旅したのもたのしかったですね。 桜島、、、思い出ですね。 あのメシも。 武蔵野美術大学での講義に遅刻したときも一緒になって階段ダッシュしてくれました。    なにより イエメンでの旅は最高のものになりました。いままで26カ国植物の旅してきて  あそこは一番好きかも。  スケールが壮大やったから。。。 なんか、人生レベルの景色をシェアできたような気がします。  語りつくせないくらいの思い出話ですね。 お互いおっさんになってもその話で一杯飲めそう。 笑    そういえば好きなベンハーパーの一番昔の曲を使ってくれてびっくり。ありがとう。そういう気遣いをできるのが三木さんなんですよね。 
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 おれを見つけてくれた松井さん、本当に感謝しています。 松井さんがいなければ ああいうふうに植物の魅力を伝えることができなかったでしょう。
危険な場所や、ややこしい現場には遠くから見守ってくれ、スペインと百貨店の取材はちゃんと来てくれてうれしかったです。笑

 とにかく、小さくてきゃしゃなひとりの女性のおかげでおれはいい思い出をつくることができました。
 そうえいばバルセロナで閉店間際のかわいい靴屋さんに一緒に飛び込んだのおもしろかったすね。

おれ自身いままで誤解されたくないために、毎日一生懸命ブログも自分の言葉でこつこつ書いてきて、ちゃんと植物のことを伝えようと努力してきました。
しかし
孤高の親父が、
 ”おれが勘違いするとあかんから”
 ”花宇の仕事は表に出るもんじゃない” 
という二つの理由から、メディア取材を受けるのを拒んでいた時期もありましたが、最近 ”もうええかな”という感じになったこともあり、 すこしづつ取材を受けるようになっていた去年の夏のある日、 ”そろそろ情熱大陸かも”なんて何人かに言ってたら、突然メールでオファーをいただき、ご縁を感じたのを覚えています。 とはいえ一般人が田舎でやっている仕事を、重みある番組に取り上げていただいたのは素直に光栄。

  以前にも増して励ましのメールをいただきおれも感動している毎日です。地震のあとやったのは偶然か必然かわからないけど”元気がもらえた”と聞いてぶるぶるきています。
 また、 ”桜が咲いたのを見て、涙がでてきた”と言ってもらえます。誇りです。 実際、花が咲いているのを見て涙できる人種は少ない。 花が咲いているのをみて 涙がでる人がいるというのはこの国がまだまだ豊かな証拠ですね。 心が豊かなら、花をちゃんと見れるからです。
 
 おれ自身はヨチヨチ歩きで歩き始めたばかりですが、とにかくこれからの時代に植物の無限の可能性を知るひとが増えることには変わりなく、その魅力と可能性が少しでもたくさんのひとに伝わり、まただれかが元気を取り戻すきっかけに自分もなれればいいな、と思っています。  今回は本当にありがとうございました。 ではまた打ち上げで。 


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追伸   松井さんへ : 靴の買いすぎに気をつけてください。  

      三木さんへ : ビリヤードでおれに負けたからといって落ちこまないでくださいね。  ガハハ!

    





清順  拝




posted by seijun at 01:01| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年03月09日

情熱大陸



来週、13日の日曜日 午後11時  情熱大陸に出演します。 

http://www.mbs.jp/jounetsu/

http://mainichi.jp/enta/mbs/news/20110307org00m200017000c.html


みてや〜
posted by seijun at 04:10| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年03月05日

プラントハンター 本について

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http://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC-%E5%91%BD%E3%82%92%E6%87%B8%E3%81%91%E3%81%A6%E8%8A%B1%E3%82%92%E8%BF%BD%E3%81%86-%E8%A5%BF%E7%95%A0%E6%B8%85%E9%A0%86/dp/4198631387

今日、本の表紙のデータがとどきました。

今月末に発売予定です。 いまのところ順調にいけば都内の大きな書店さんから順に25日から並ぶと聞きました。

3月中旬に発売と言ってしまった関係者さまさま、おれのワガママで出版時期がのびて申し訳ないです。 編集者のかたたちもガンコなおれに手を焼きながらも最後の踏ん張りに非常にがんばってくれています。




ちなみにこの本がでると決まったときから
http://cul.7cn.co.jp/programs/program_538060.html

4月3日に西武池袋で、コミュニティーカレッジさんに出版記念講演のオファーをいただいています。 予約もできるよ




 この本では、いままでのたくさんの植物を探すその道のりで出会った人たちやエピソードなどを綴っている。 植物を探す行程で気づいた、自分の人生において大切なことなども。

 また特徴としては 本の大きな構成を ”喜怒哀楽”に分け、楽しかったことや悲しかったこと、すげーうれしかったことや腹が立ったことなどをベースにしているとこです。 いままでになかった切り口で植物の本を書きたかった。 

 また、植物と出会う前のころの物心ついてなかった時の自分や、 植物への愛が暴走して警察に捕まったこと、花とエロスや、 プラントハンティング中に死にかけたことなども、包み隠さずに書いています。(おれの言葉をすこしやわらかくしてもらってるけどね 笑)








花宇の素材は花や木のプロに扱ってもらっているのでたくさんのひとに見てもらえる機会が多い。その中で

 花や木を切ったり掘ったりすると 花がかわいそう、って思う人がいてます。 

 

しかし世の中は 

 牛や豚の首を切り飛ばして腸を取り出し肉をミキサーにかけてぐちゃぐちゃにしたものを腸に詰めてソーセージにし、おれたちは”おいしい”って言って食べている。

 大海を自由に泳いでいた魚が釣られてナタで解体され、きれいに水で血を流して鍋にぶち込んで料理しているのをお茶の間でテレビでふつうに観てる。 
  
 きれいなヒマワリの入った花束を誕生日にもらって喜んでいるひとがいてるけど、そんなちいさな花ひとつひとつも、命には変わりなく、それを切って命を奪いひとはプレゼントしているわけです。

 エコだの環境問題だのっていうわりには、温室で石油をがんがん炊いて観葉植物を生産し、大型トラックで輸送し、イメージよく商品として売り買いされています。 


たとえばおれが一本の大きな木をハンティングする間に、その1万倍もの森が開発にかかり切り開かれているとか。
 


そんな世の中です。

なにが悪い、というわけではない世の中です。 おれは肉も食らうし、観葉植物も温室で育てているし、 ひまわりをだれかにプレゼントしたいと思うだろう。 もちろんこれからもだれもできなかった劇的な木をハンティングしてひとも前に持ってくると思う。
 
 

 おれは365日 植物と向き合ってきて なにがホンマに悪いことで、正当なことなのかいつも考えさせられる。
命を扱う職種だから。
 だからといって、ただ単純におれが植物のひとつひとつを枯らしては涙してるわけでもないし、”かわいそうだから””と手に取るすべての花や木を丁寧に葬るわけでもない。 時には木に体当たりをしてでも動かさなければならないときもあるし、一瞬の間にその命を刈り取るときもあります。

でもこういう仕事をしてきてやはり 最終的には 植物には人の意識を変える力があるんやなぁと気がついた。 それによって人が感動したり、人生が変わったり、生活をすこし豊かにすることができるんやなぁとわかった。だからこれからも迷わす卸屋をつづけていける。

 花業界には 己の利益や原価率の計算しか頭になく思想のもたない業者も多いが、せめて自分は植物を生産し、卸す立場として 原点を忘れずにいきたいと思っている。



本を制作するにあたり、語りつくせないくらい強烈なこともあったり、感動したこともあったり、いろいろいままであった過去を編集者・ライターさんに長きに渡って話しを聞いてもらって、少しではあるけど自分のことを振り返ることができたような気がする。




また、いろんな国を訪れて、その土地その土地の植物を通して、その国の人種や文化や背景などが見えてくることも多い。
 たまたま花宇という特殊な植物の卸屋に生まれて、そういう観点から見た事実を自分がわかったことからすこしづつ伝えていければと思っている。    






昨日、70歳は過ぎた婦人に、
”死ぬまでにこんなに美しい桜を見れてよかった。 おにいちゃん本当にありがとう。 わたしゃ本当に興奮してね ” と、勢いよく抱きつかれたことがおれの自慢です。 

  
プラントハンターという職業は、なにもジャングルを分け入り、秘境で新種の植物を探すことだけが仕事ではない。勘違いしている学者もいるかもしれないけど、そうじゃない。
 
 昔は食べ物になる植物からはじまって、薬になる植物、敵を殺すために毒になる植物、と生活に密着する植物から需要がひろがり、いまはきっと、もっと人間の感覚的な部分に作用する植物が必要とされているのではないかと考えている。 それがめっちゃかわいい癒し系の植物でもいいし、季節を先どった花木でもいいし、ごくさりげない雑木でもいいし、空間に添える一輪の花でもいいと思う。

 プラントハンターって、要は その時代その時代、その瞬間に必要とされている植物を見出し世に送り届ける仕事だと思う。 おれも貴重な植物も探索するけど、それだけではマスターベーションにすぎないと考えている。


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今回出版する本のタイトルは、

 ”プラントハンター 命を賭けて花を追う” です。 


(本のなかではこのブログみたいに牙がなくて、やさしい表現になっているので安心してください)

まだまだおれはよちよち歩きし始めたばかりやけど、志を高く、がんばっていきたいと思います。
いまは日本に本当の意味でプラントハンターを名乗れる人物はいないと思う。

しかしおれはいつか、と思っています。




posted by seijun at 23:24| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年03月01日

海を渡ったひまわる

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真冬のドイツで行われた国際ガーデンショー。 

これに向けてとある方にご協力いただき80本のひまわるを仕込んでいました。 

 実はトラブルもあり、間に合わないだろうと予測していたにも関わらず、たった一本だけ、咲いてくれたのでした。 お世辞にも立派なひまわるではないとはいえ、こいつが海の向こうに渡ったことについて非常にうれしく思っています。

 ショーのあと、この花を紹介していただいたJFIロイヤリティーさんからの連絡があり、 すでにオランダでこのひまわるを栽培実験したいというオファーもいただいた。 

  しかし、いままでも花宇オリジナルの種をパクって商売をしている業者もいたりするので、”このひまわるだけは慎重にいきたですね”、なんて話をしている。 


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これはつい一昨日、届いたひまわるの写真です。 いまごろになって、秋に植えた80本のひまわるがだんだん咲いてきているようだ。


  まだまだ夢のつづきを見たいと思う。

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2011年02月23日

砂漠のバラとアイデア

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 写真:宮本敏明



 



 砂漠のバラ、という植物を知ってますか。


学名をアデニウム という。    おれが溺愛している植物のひとつでもある。 いやぁっていうか、本当にアデニウムのことは好きだ。


アデニウムは中近東や熱帯アフリカ原産の植物やけど、園芸植物としてひろく栽培されているのでおれも過去に何度か海外から仕入れていたけど、やはり本場のものは、次元がちがう。
 
 いやぁ今回の旅でますます好きになった。



ちなみにこの植物に関しては、山羊は興味がないらしい。


おれは アハマドにまず質問を言ってみた。



”この島に一体 いくつくらいアデニウムが生えていると思う?”

”アデニウムは絶滅危惧種じゃないよ。見てのとおり、数百万個はあるかな。。。”

”そうやね。なら、この数百万あるアデニウムから、たった10個でいい、すごいと思えるアデニウムを、ちゃんと許可をとっておれにハンティングさせてくれることができたら、日本にちゃんと許可を取って送れることができたら、たくさんの日本人に見せることができるよ。 おれが扱う植物って、アハマドが想像できなくらいの人にみてもらってるんやで。この美しくて神秘的な植物をそれにふさわしい場所で見せてあげることができたらきっとイエメンやソコトラに興味を持つ人が増えて、この島の活性化にもつながるよ”

”たった10個でいいのか!? そんなの簡単だ。 それにひとりでも多くの観光客が島にきてくれるのをみんなは望んでいる” 

”それにこのアデニウムの赤ちゃんをみてほしい。 こんなかわいいやつがあるなら、日本で売り出したら信じられないくらい売れると思う。だからまずソコトラの島の植物を世界で初めて輸出できるきちんとしたルートをつくろう。 そしたらおれが日本で販売するからさ。 そうすることで、 植物を生産することが生活の糧になるならこの村のひとも喜んで植物を育てると思う。 地元の活性化になり雇用を生み出すシステムができれば、アハマドはたくさんの人を雇ったり指導してもっと多くのひとにソコトラの自然を守る作業を手伝ってもらえる”
 
”グッド。。。”

”おれはそうやって、各国のひとと関係を築きながらいままで世界中の国をまわっていままで植物を集めてきたん。 おれと親父が過去に集めた植物は1万種類以上やで。笑  こういう世界遺産になった場所の植物ハンティングはいままでにないけど。。。 おれが初めての人間になりたい    植物の輸出入っていうのはいわば国と国との契約だからあとはどうやって特別許可を取るか、やなー”

”それはなんとかなると思う”

”だいたい政府っていうのは本当に環境のことをシラナイから困るときがある。 ほら、ソコトラ島だって植物どころか種や死んだ植物ですら持ち出せないやん。それってもちろんいい規制だと思うけど、本当にここの自然を守りたいなら、固有の植物を持ち出すことを禁止することより、外来の植物を島に入れないように規制するほうがよっぽど大切だ。 持ち出されたものは価値があって世界のどこかで繁殖されるかもしれないけど、もし外来の植物や動物が入ってきて生態系が乱れたら固有種がさらに危険にさらされてマダガスカルみたいになってしまう。。。  絶滅危惧種ほどハンティングして人の手によって増やさないとあかん。 見識と知識のある人間が植物を触るのはいいことだ。
 でも政府はアホやから、そういうことを理解できないときもあるね”


 ”おい、帰りのチケットを変更することはできないか? あと2日すればおれの大親友の環境大臣が島に来るから会ってほしい”

 ”賛成だ。おれも会ったほうがいいと思う。そしてちゃんとした植物を生産する体制と輸出するルートをつくろう。 しかし帰国の日程を延ばしたら、おれはみんなに殺されるよ。。。”

”次の機会だな” 

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写真:宮本敏明
 

  

最終日








 プラントハンター アハマドと距離が縮まってきた最終日の夕暮れに彼の大切にしている場所につれてってもらった。
 
おれが日本人が好きそうな植物を、彼らに増やしてほしいと思っていろいろと教えた。

夕暮れにそこで、その崖でしか取れない珍しい乳香の木の枝を採集したり、地元のひとが危なくて上れない場所に生えていた絶滅危惧種であるドルステニア・ギガスの枝を採集していたときに幸せの波が寄せてきた。
アハマドがおれの採集した植物を育苗場にもって帰り挿し木するためだ。

自然を守るためにプラントハンティングする。 かっこよすぎるけど、 それと同時にたくさんの人に利益をもたらしたりできたらすばらしい。おれはおれで好きな植物を手にいれることができるし、稼ぐこともできる。 植物のハンティングや自然を守ることはきれいごとではなくて だれかのためじゃないと大きな力にならないからそれでいいのだと思う。 もっと平たく言えば、”儲かるから植物を育てよう”と思うひとが将来ソコトラに増えればおれの作戦は成功だと思うし、いいことだと思う。 

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最終日の帰りの車は思い切りたそがれた。

毎日死ぬほど夕日がきれいやったけどその日に限って曇っていたのでまた来いよってことなんやなぁとおもった。




いつもキャンプ地への帰りみちに時間がきたら、水のある場所に止まり、 
 そこで体を清めて、お祈りをする。

みんなイスラム教徒だからだ。




初めてお祈りの時間を共にしたとき、巻きスカートをしている理由もよくわかった。 
まず蹲踞の状態になり、小便をし始めてそれから手や足やペニスを水で清める。分かり合いたいから、できるだけ近くに寄って体験したいと思った。彼らが夕日に向かって股を開いて小便をする音が、なにも音のない自然のなかで聞こえたときは少しだけ同じ人間として時間を共有した気分になれた。




 彼らがお祈りをするときは、おれも体を清めて一緒にすわり、毎日座禅を組んだ。 

おれも小学校低学年から12年間ほど、週2回かかさず座禅をしていたけど、久しぶりに岩の上や道端で座禅を組むとすごく気持ちよかった。 





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ソコトラでの日々はとにかく最高でした。 ドラゴンの衝撃は想像以上だったことも、声を上げてしまうようなアデニウムに会えたことも、まだ名前のついてない新種を発見できたことも、毎晩ロマンチックな星の下でお酒の代わりにケニア茶を飲みながら語らえたことも、乳香の香りも、とあるシッサスの幹の部分が硬かったのも、全部最高だった。 




日本に帰国した次の日の朝には、日本で唯一園芸業界でフェアトレードの承認を受けている会社の常務さんとコーヒーの飲みながら、桜の注文の話の合間にソコトラの話をしていた。




  おれはどこまで地元のひとに受け入れられたのか。

 わからないけど、いまこうやっておれんちで、帰り際にもらった宝物の、ドラゴンの血の染料で模様を塗られた香合をみているとなんだか次にソコトラに行くのがたのしみになってくる。   



posted by seijun at 23:45| for dreamer , 男の夢とロマン