2012年02月28日

昨日は狼のように山を歩いて松を狩っていた。

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この山を注意深くみてほしい。


伊勢湾に浮かぶ菅島へは、毎年この時期に通っている。

野性味が残る山では 老いた松が風に煽られてよくしまっていて、地に這い蹲るように生えていたり。、いい枝ぶりになっている。ここにはいつもいい松を探しにいく



写真の山の真ん中のほうは自然の山が残っていて、その両脇はブルドーザーですでに削られたあとだ。

そう、この山は採石場としていずれ切り崩される運命やねん。何年もかけて広大な山を歩き 一本一本おれたち職人が目利きして選びぬき、切って集める。 いつも疲労困憊になるまで歩いて枝を探し、大量に枝を持ち帰る。 

 今日仕事を終えて地元の村の人が船に揺られながら島の山を遠くから見て改めて感じたのは、 おれたちが一生をかけて死に物狂いで切り集める枝や花の量というのは、開発にかかれば、ものの数週間でそれ以上の量の植物が伐採されていく、というスケール感の感覚だ。

 
 この広い世界ではもっと巨大な開発でとてつもない自然が荒らされているのだろうけど。。。

 よく考えたら、おれが自ら山を歩いて切ってきた花や木をみてかわいそう、ってチャラく言っているひとがいたとしたら知識のなさを露呈することになるね。

 そうそう、木をみて山を見ざるの類の話。


 それにしても今日は樹齢100年近く経った松の巨大なシャレ木(枯れて芯だけが残った木)を 正二さんと2人で山の中を半べそかきながらなんとか持ち帰った。 2人で全身全霊で山中、枝を運び出すときはまさに”行”みたいなもんで、途中何度もマラソン選手のように倒れこんで激しい息の乱れを整えた。


自然の山で一日中戦っていると、生きている実感が沸いて、どこまでも激しく仕事をしたくなるけどたまにそれが、体にすごい勢いで跳ね返ってくることもあります。



ということで最近ちょっとだけ体のメンテナンスをしようと思って 紹介を受けた針の先生に自宅で治療してもらってます。 年末から、少々古傷が痛むので
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posted by seijun at 00:26| for ikebana , いけばな花材

2012年01月04日

お正月のお花

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銀閣寺の大書院に活けてあった、お正月のお花です。  


達磨大師の掛軸をみて”おお!”と言うと、珠寶先生が”毎年お正月には達磨大師の軸をかける”と教えてもらった。 達磨大師というと個人的に、拳法の達人で、お釈迦様の教えを伝えたひと。。。というイメージがある(13年間習った少林寺拳法で、小学生の時に試験に出てくるから勉強した記憶が)

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今日はまた、官休庵の床の花がすこし変わったということで千さんから写真が届いたのでみなさん拝見してみてください。




さてお正月休み。 

いかがお過ごしですか。

おれは、本当に、本当に毎日寝ていました。 とにかく外に出たくなくて毎日朝昼晩と、嫁さんが呆れるくらいずっと寝ていた。

 
元旦は、朝起きて家族でおせちを食べてまた昼寝。 それで初夢を見たんやけど、それが、とにかくドーナツが食べたくてしかたなくドーナツを探しまくる夢でした。 嫁さんにドーナツを探す夢を見た、なんて言ってて、



で、昼寝から目が覚めておばあちゃんとコタツにいたら妹が帰省してきて、目の前に出てきたのがコレ
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いやぁ 初夢がすぐに叶うなんて、なんて縁起のよい年だろう。 奇跡やわ。

おかげで晩飯の前に1つ、晩飯の後に3ついただきました。




 ほぼ寝正月ですごした連休やったけど、いちおうセールやし買い物に行かな、と思って、京都にすこし買い物に行って車を運転してたらびっくりしたのが、街を走っている車にほとんど しめ縄 がなかったこと。 

 日本の国のみんなは機械ばっかりに汚染されて、縁起を担ぐこととかを忘れたのかなぁとちょっと心配してしまいました 



posted by seijun at 21:34| for ikebana , いけばな花材

大晦日は。。。

京都、武者小路千家・官休庵で、千さんにお茶を振舞っていただいた。 






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裏庭で花を捌く千さん。




 ”正月は毎年 床の間にちゃんと花を立てたい”と電話で千さん言っていたので、 

おれは手土産に椿の花を三種類持っていった。 



ひとつは、数ある椿の中でも名花と呼ばれる、正月らしい紅白の”岩根絞り”

もうひとつは、この季節にかかせない、茶人に最も親しみやすい椿のひとつである”白玉”

もうひとつは、葉も花も独特、日本の椿とは一線を画すベトナムの椿”ハイドゥン” 




京都に向かう道のりで、千さんがこの3種の椿のなかから、どれを使うかなぁとたのしみにしていた。 


 今回は茶花としてではなく、たてはなをするということやったので、なおさらだ。


ところでみなさんは、その3種の椿のなかから千さんがどの椿を使ったか、わかりますか?






椿を包んであった紙包装を解いた瞬間、まるでおもちゃを見つけた少年のように夢中で手に取ったのは、ベトナム椿でした。 ”これは珍しい!” と言って一輪の花を見ながら本当にうれしそうやった。  

 おれも、なんとなくわかっててんけど、温室でハイドゥンが咲いていたのを見たときに”千さん 喜んびそうやなぁ”と直感で。  
 
  うちみたいに伝統的な花を扱っていると、いけばなでも茶花の世界では、たまにいる知識人っぽいひとが”こういうものは古典の花には使わない”と言う。 決まりきった教科書どおりにしないと不安になってしまうひとね。 

 しかし自分が新たな歴史の教科書になる存在と無意識にわかっているひとは必ずしもそうならない。そしてそういうひとに限って古典の知識に長けている。おれはそう思う。 

千宗屋さんはまさにそういう存在やと思う。 

 数年前パリで出会った日に、おれが”千さんの存在自体がアバンギャルドですね”というと、千さんが”別にアバンギャルドに振舞おうと思ってお茶をやっているわけじゃないけど”とナチュラルに言っていたのを改めて思い出した。 
 
 
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 余談になるが、利休の生きた前後時代の古典いけばなの絵は、池坊専好の立花図に代表されるようにどれをみても満開の花が立てるように活けてある。
 もともと日本のいけばなは供花が元になっているので、花を立てるように活けられる”たてはな”という活け方が始まりだ。
そして当時絶大な影響力を持っていた唐物文化では満開の花がよしとされ、その感覚はもちろん”たてはな”にも浸透しているからいつでも満開の花が活けられたと予測できるけど、、、というか普通、花は咲いたときが一番きれいなわけやからみんな飾るときにはそういう状態のものを使うやんね。  
 しかし利休は、花が咲き誇っている状態を活ける、という常識を、 ”花は野にあるように”と、咲きかけている花(蕾)にも美しさを見出し、それを活けた。そしてさらに、立てるようにではなく自由に活けた。 これが現在でいう”投げ入れ花”の始まりであり、これを究極までマイナスの美学で研ぎ澄ましたのが茶花であり、 利休以降、茶花では蕾のものが活けられるようになったが、 これをやり始めたことは当時としては相当センセーショナルなことやったと思う。


おれの意見やけど、利休は、ひとと違うことをしようといつも頭をひねってたわけじゃなく、なにが理にかなっているかとか、気持ちよいか、相手にとってベターかを常に心に留めて言動していただけで、たまたまたどり着いたよりよい考えや作法がその時代までの常識に当てはまらなかったとしてもそれを貫き、それを見て人が心を打たれ連いていっただけなんじゃないかなと思う

ここで話はもどるけど、 
もし千利休が現在に生きていて、3種の椿を出したら、まちがいなくベトナム椿を選んでいたと思いませんか。 ”いとおかし”(おもろいやん)ってね 

大切なのは形式ではなく、心やと思うねんな    

千さんにも利休の血が流れていて、それが珍しい美しい花に素直に反応しただけで、たまたまそれがベトナムの椿だっただけ、ということやね。 茶花に熱帯の花を使ってはいけないという辞書はない。そう考えると、たまたま花宇の温室でベトナム椿が咲いていて、官休庵の正月の床の間に千さんが立てたのも自然ならそれでいいのだと思う。 

ちなみに千さんが真に立てた松は、先週銀閣寺花方の珠寶先生と兵庫の山に登って切ってきた時のもので、梅もお寺にあった紅梅と白梅だ。


  かつて、いけばなの各流派の家元方々が公式でない場所で花を学んだという伝説の花人 岡田幸三先生から直接手ほどきを受けているだけあって、千さんのたてはなの手つきは、おれが想像していた茶人のそれをゆうに超えていて、 陽の気があふれる(つまりノリにノッている)いまの千さんを象徴するように花が見る見る決まり、大きく羽ばたくような花だった。

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千さんは花を立てながら”たのしい”と10回以上言った(おれもびんびんきたけどね!)



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そういえば、おれが官休庵に行ったらちょうど情熱大陸の取材のひとがいてたよ。 8日が放送らしい。たのしみやなぁ 

posted by seijun at 00:43| for ikebana , いけばな花材

2011年12月20日

雪国

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今日は、さらなる素材を求めて岩手県、青森県を回った。  杉林のなかで、サワフタギやコシアブラ、コハウチワ楓のよい姿のものを探していると、ふと足元にヤブコウジを見つけた。プリっと言っていた。


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でかくて、めちゃめちゃかっこいい松を探していたら気がつくと吹雪。

 感想はとにかく寒かった。 

 そんな雪国で 大型トラックで輸送される豚たちをみて思わず地元の植木屋さんに 

”豚や牛は寒くないんすかね〜”っ言ったら

”うん、大丈夫だべ”


と言われて すげぇなぁ と感心した

 
posted by seijun at 03:02| for ikebana , いけばな花材

2011年11月21日

マリモさん


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ここんとこずっと相変わらずいろんなとこを走りまわっているが、今日 自分とこの花材畑で見かけたマリモ鶏頭をどうぞ。

おれ、結構、マリモ鶏頭好きやねん。  なんか、 ちょっとふざけてる感じが。 




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ほらほら、 なんかナメてるでしょう。 

posted by seijun at 23:20| for ikebana , いけばな花材

2011年10月23日

イイギリ

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ずっと黙り込んで考え事するよりも、昨日垂直にイイギリの木(桐南天)に登りながら、考え事しているほうが、よいアイデアが浮かんだ

 
 昨日は愛知県や三重県に回り、注文分の枝を探し回ったり植木のチェックをしたり、今日も一日中 こなさなければならない仕事に追われた。 バタバタしているが、イイギリの木の上で”時差ぼけになるヒマもなくて逆に得やな”と、安心した。 

それにしてもイイギリも思い出深い木だ。
 
 昔 むちゃやってたころは、田舎の高速道路に車を止め、そこから崖下に下りて巨大な野生に生えたイイギリの木に登り枝を切りまくっては採集し、崖の登って乗せて帰っていた。おれが通っていた高速の崖下には人が投げ捨てた缶やペットボトル、エロ本などが落ちていた。鹿や猪の死骸や骸骨もよく見かける。 当時山の師のもとで修行中に身だったが、イイギリの枝を切って東京の市場や問い屋に持っていくと、たいそう重宝してもらっていい稼ぎになった思い出がある。


やんちゃをしていたあのころもたのしかったけど

 しかしいまは これも、育ててるひとから枝を買い取る以外、自然に木には手はださない。 


昨日もイイギリを切り花栽培している、めずらしい農家のおっちゃんから枝を切らせてもらっていた。



ところでイイギリは、時期になると取り合いになる。

 この時期、古民家や畑でイイギリが生えているのを見つけると、”枝を売ってください”と尋ねていって買い取ることもあるが、そういったときに 
 ”11〜12月になると、この実、鳥に食われませんか?”
と訪ねると ”アンタよく知ってるね”と感心してくれるから、たいがい安心して枝を分けてくれる。  

 鳥たちはどこにイイギリが生えているのかをよく知っていて、そのうえギリギリの時期まで実が熟すのを待って、時期が来たら人の手の届かないところから順番にあっという間に食べていくねん 
 おれはギリギリまで実の色が赤くなるのを待って、枝が切りごろになる、鳥たちが食べる直前を見計らって枝を採集しにいく。  


posted by seijun at 23:40| for ikebana , いけばな花材

2011年10月21日

2011年10月19日

仏ニテ




一年ぶりに訪れたパリにて、 ギメ美術館でたたみを搬入しながら、なつかしい気分やなぁとしみじみ思って。



2008年から続く慈照寺国際文化交流プログラムへの参加で、今年の秋もパリへ。 
銀閣寺お花チームはすでに9月から渡仏していて美術館でのワークショップやお献花などの活動をやっている。 


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 行きしの飛行機でご一緒した銀閣寺の和尚さんである平塚景堂執事長と、シャルルドゴール空港に着くと、大事に持ってきた2mくらいの長さの花材箱を引き取り宿へむかってタクシーに乗った。

 




今年はorleanというジャンヌダルクで有名な町で舞台花があり、それに合わせて日程を調整した。

いままでの 秋は日本の野山で毎日注文分の花木を探して切る季節だったけどここ4年間は銀閣寺のみんなとパリで顔を合わせて一緒に仕事をするのが毎年のたのしみになっている。 






到着した翌日はギメ美術館でのワークショップ。  年々 確実にその内容も濃くなっています。
 
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2日目、みなは電車に乗りorlean へ向かった。 おれはいつものように遠出の仕事は関口さんの車にたくさんの荷物と花材を乗せてorleanに向かう。 いつもスペインで長距離運転していてたのしいが、フランスのドライブもまた違っていてたのしい。 

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     舞台裏では日本から持ってきた、 先日山で切り出した女松、山茱萸の線と実つきのよいもの、今年一番に咲いた太神楽椿と西王母、そしてうちのお稲荷の前に植わってる紫陽花の残花など。
それらが珠寶先生がパリで摘んできた花と一つの花瓶のなかでであう
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椿は一週間後に丁度満開になるものを慎重に選んだが、まさに舞台本番で満開になった。



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 本当のいけばなというのはただ見てくれの花のデザインを整えるという浅はかなものでもなく、 そのときのタイミングや花材との出会い、見ている人や、場所や室礼、もちろん活け手の気の持ちようなど、さまざま要素が合わさった上で、本番一本勝負で決まる。 珠寶先生の花は100%やらせなしなので、この真剣勝負がおもしろくでたまらない

    自分の用意した花が想像どおりに活かされるとすごく満足感がある。


    自分の用意した花が想像と違って活かされるとすごく勉強になるし、

    自分の用意した花が想像を超えて活かされると高みにのぼれる

 



  また、 orleanでの舞台では、  御香の御家流 のご宗家・三条西尭水先生 が聞香会を披露された。
 舞台後、ご宗家が不意に伽羅の香りを持ってきてくださって、その香りを聞かせていただいたが、初めてお香を聞いたこの感覚がこれがまた衝撃的で、なんというか”こんな世界があるのか”というしか他なかった。 

 また、銀閣寺執事長の講演では、sunya つまり ”空”の境地についてお話され、個人的にタイムリーな話題だったもあり非常に心に残る講演だった。そしてあれからというもの、寺田寅彦が気になってしかなたい。 

   
posted by seijun at 23:02| for ikebana , いけばな花材

2011年10月07日

best feeling of my life

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前にも言うたかもしれんけど木っていうのは、土壌や気候などいい環境の条件ではすくすく育ち見た目も立派な木になる。 
 しかし同じ種類の木でも育った環境によって全然違う姿になる。たとえば、水が少なかったり、十分な土壌がなかったり、常に強い風にふかれていたり獣に踏まれたり齧られたり、、、そういう厳しい環境で苦労して育った木は、そういう環境に耐えるために姿を適応させるねん。幹が太くたくましくなったりねじれたり、こぶができたり、根っこがもりあがったり、枝が先までき太くなったり。  厳しい環境で育った木はその人生(樹生?)がやはり姿ににじみでてくるわけ。 

 人間も同じやとおもいませんか。


”温室育ち”とは昔の人はよく言ったもので、 まさに苦労を知らずに育った人間は素直に育つが土壇場で弱い。それに比べていろいろな経験を乗り越えてきた人はそれだけの人生が、顔に出てたりオーラとなっていたり。なにかとそのひとの姿形になって現れるやん。 

                          ・・・
  そう、 おれたちが常に追いかけているいい松というのは、 もちろん厳しい砂山の斜面や崖などの環境に耐え忍んだ姿がにじみ出た様な樹形のものだ。

もっとわかりやすくいうと、普通松が平坦な場所に育ったら一年で数十センチのびる。十年経てば数メートルの大きな木になるけど、それを前提に最初の写真の松を見て欲しい。 あの大きさで20年くらいの年月が凝縮してるねん。一年で数センチものびてないもの。

そういうものが作品となって水盤など花器に活けられたときに風情となって現れる。これは若い枝ではどうしても表現できないものやねん




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本物のプラントハンターっていうのは、 おれにはようわからんけど、 
 とにかくこういう風景は非日常ではないような気がする。

  ちなみにこの崖下にはいいシャレ木があった。それを採りにいって折らないように崖の登るのは見た目より大変やったで


 

(山へ入り、なんらかの目的で木を採り生活の糧にするという行為はさあ人類が登場してから何千何万年と続いているかもしれない。 けど命あるものをいただいて生きているからこちらもその覚悟がないとあかんと思う。 いま花を売り買いしたり活けている人間たちのなかで、そういうのを知らずにやっているやつが多すぎる。 また短絡的に枝や木を取るからかわいそう、という人間もまた、知識のなさを露呈する。 世の中には植物や自然のことを全然知らずに安全な場所で机上の論理でモノをいう人間もいて、おれもため息がでることもある)





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一本一本集めた大切な枝ぶりのいい松を できるだけ小さく束にして山を降りる。 ここにも技術的なコツが集結しているが、そうやって山を尾根を登り降り、獣道を通り、茂みを抜けて何十キロの重さの束を大切に運ぶ。 いつも見習いのみんなには、”オマエが落ちてもいいけど松は落とすなよ”とアドバイスをする。

5時間山でひたすらモノになる枝を捜し、重い荷物を持って降りているとだんだんキツくなってきて、”この時代になんでこんなにしんどい思いをしないといけない仕事があるのか”と思ってしまうこともあると思う。

 けど、花宇の仕事をやっていると”植物が好き”っていう感覚は、本気度が試される。場合によっては好き過ぎていっつも一緒にいて、それのいろいろが見えてきて、時には植物に対して腹が立ったりしても自然なことだ。 

 恋愛と一緒で、軽く好きになり始めてるときはなにもかもいいところばかり見える。でもどんどん真剣に恋愛していったらそのうち、相手のいろいろが見えてきて、ストレスになったり、自分のエゴがでてきたり、いつもいいときばかりでないやんね。 

 正味、植物と生きていくというのは、時には包み込むようにそれを愛したり、時には全身でしがみついたり、時には心も体も傷つけられて そうやってかじりついて深く付き合っていくこと。 プロなら金も欲もからむ。 いやいやきれいごとではなくてね。 著書に書いたけどおれなんか究極の枝を求めて真冬の富士山に入って枝を切って逮捕されたことあるよ。 若いときは愛も暴走するねんな。 でもおれはいま一周して、割とマトモに植物と向かい合ってると思う。 



 
山に入って数時間、やっとの思いで下山して、車に荷物をのせると、みながヒザがガクガクしていた。
しかしまだ見つけきれていない注文分の松が残っていたので、
 ”さあ第2ラウンド行くぞ”と間髪要れずにおれが言ってまた山を登り始めた。見習いたちの絶望的な顔がなかなかよかった。

その後 根性試しくらいの勢いで、再度違う山に登りなんとか注文に間に合う2m以上の立花用の松を数本見つけると晴れて下山し、カレー屋でコーラとオレンジジュースと水を一気にガバガバ飲んで無理やりカレーを食った。

帰りみち、見習いの一人に”清順さんはヒザがガクガクしないんですか”と聞かれたので、一言。





” ん!?めちゃめちゃ ガクガクしてるに決まってるやんけ! おれの得意技は ヤセ我慢やからな”
 
posted by seijun at 23:55| for ikebana , いけばな花材

2011年09月24日

凛々

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今日は墓参り行ったあとに、 おれの大好きな場所のひとつ、とっておきの浮御堂に行ってきた。 


本当いつきても最高で、 なんとも言葉になりませんでした。


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見事な松を見ると、何回見ても 声をあげたくなります。 ちなみに湖に浮かぶこのお寺の名前は、満月寺。 最高です。


毎日仕事してると、どうしてもちっちゃい商売のことを考えてしまうので、たまにスケールの大きなものさしに触れ合って、自分の魂をニュートラルにしないといけない。


ついでに今日は交通安全と家内安全の蝋燭を立ててきました。



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お堂の前にお花も活けてありました。

 ”何気ないお花に、心が洗われるなぁ。  リンドウとキキョウが見事に咲いていて、まるで日本美人のように凛と咲いている”  と感動していると、
    


野イバラ、鶏頭、ユーカリ 以外の 、 リンドウとキキョウは造花ということに気がつきました。
 
 女には騙されないように気をつけなさい、と浮御堂に教えてもらったような気がしました。 

posted by seijun at 23:47| for ikebana , いけばな花材

2011年09月20日

不安要素


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今日は午前中、 いけばな稽古用の枇杷の枝を切りに行った。

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 切った何百本の枝は束ねて重さが数十キロになり、それを担いで山を降りる。
今日のような天気のなかで仕事すると”ランボー最後の戦場”みたいにみなどろにまみれて真っ黒になります。


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いまの季節は、枇杷の実が終わり、ちょうど新芽が伸びてきて古い葉と入れ替わる時期です。一番花材にむかない時期です。いけばな業界の人間も、もう少しでいいから自然の知識を持った人がいたらいいのになぁと思います。  いけばなの作品集などをみると、使われている花の名前が間違っていることが多く、恥ずかしくてこちらが赤面してしまうこともよくありますが、 この先もちゃんとした知識のあるひとがでてくるのかなぁと思うとすこし不安です。


山から帰ると、メシを食って着替えてすぐに関西国際空港へ。

最近、海外から千数百個の貴重植物を輸入したけど、書類に不備があり、まだ植物検査・税関検査ができず空港で留まってる。
ここ2,3日不安でならない。

いてもたってもいられず植物防疫所に赴き、自分が立ち会って書類と現物を照らし合わせた。
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いやいや本当に貴重植物の輸出入は大変です。プロでも相当神経を使います。


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空輸で送った、1300kgの荷物。 なかにはだれも見たことのないものなどが入っています。
posted by seijun at 20:32| for ikebana , いけばな花材

2011年08月06日

マトリックス

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先日、

”緊急でどうしても白い蓮の花、しかも咲きかけている状態のものがほしい”と注文を受けて

 ”そりゃそんな急には手に入らないだろう”とスタッフが話ているのを聞いた






 そのとき思い出したのが、2,3年前に、野山でトラックを走らせていた時、外の風景を何気にみていたら、ほんの一瞬、目に入ってきた数輪の白い蓮の花。 

この一瞬のビジョンがおれの頭のなかに蓄積されていたようで、 その話を聞いたとき、おれの頭が一瞬であの時見た小さな蓮池の白い花にマトリックスした。 
 
”あの どこどこの道を走って、一つ目の民家を越えてすこし走ったら右側に小さな池があって、そこに白い蓮の花があったような気がする。 見てきてみて。” 



的中だった。 


ぴたりとタイミングも場所も的中し、スタッフが持ち主さんからわけてもらって来てくれ、注文に間に合わすことができた。


 
 いかに数年前の一瞬の記憶でもどこにどんな花があったかを鮮明に記憶しておくのがこの仕事の重要な要素になる。 




今日の夕刻は、仕事の合間に京都へ行った。 非常に貴重な会で蓮の掛け軸をお目にかかる機会があった。 


 やはりこの時期の蓮ほど、目にいれてうれしいものはないなぁと思う。 毎年ながら初物の蓮の花を見ると美しさに声をあげたくなる。






ましてや白い蓮の花は、まさに不思議の極み。

お客さんはこれを見て、

 ”鳥肌が立ちました。 はやくヤリたい”と言った



白い蓮の花は、あまりエロティックさを感じさせないのに、なぜここまで美しくて魅力的なのか、訳がわからない。

  透き通った感じとか、触りたくなるというかチューしたくなるようなその花びらのラインが、男を狂わすのかな。


 
posted by seijun at 01:35| for ikebana , いけばな花材

2011年07月09日

慈照寺国際交流プログラム in香港 



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去年12月以来となる 京都銀閣寺の ”慈照寺国際文化交流プログラム”のお手伝いで、香港へ





今年三月、   ”撮影で使う”と花材をいつものように探しにきた珠寶先生が、うちの花材倉庫を周りながら手に取ったのは、ある意味いつもと違う雰囲気のものだった


                                                                              
 枯れたひまわり、 

 枯れたトックリヤシの葉っぱの軸、

 乾燥させるために倉庫にぶら下げていた”こんぶ”のような黒いアンスリウムの葉 

 そして山から下ろしてきたばかりの、まだ泥がついてるんじゃないかと思うような松のしゃれ木、 など。 














その撮影のとき立てられた花をおれはみることがなかったが、今回香港にきて、展示されていた背丈ほどもある”作品”としての写真のなかにいた、先生のたてはなと対面した。

展示されていた作品は全部で五作。


    reborn -ikebana  と記されていた




写真を見てまず確かに今回の花に対する彼女のモチベーションが高さは感じた。しかし、というよりは、”力を振り絞った感がある”といったほうが正しいかもしれない。

その花たちはいつもにも増して美しく、見る人はまずクオリティーの高さに目がいきそうなくらいだったけど、 どこかに影があるような。。。
  
”その花を活けてからすごくしんどくなって、1ヶ月ほど気持ちを引きづった”と、後に本人から聞いた。





そういえば、 東日本大震災の直後だったような気がする





  この一連の流れは香港で行われたアートイベントの主催者から 熱烈なラブコールを受け、それに銀閣寺と珠寶先生が応える形だったと思う

 また、写真展示だけではなく、たくさんのアーティストや文化人が集まるオープニングセレモニーでの デモンスレーションもあったので、日本から持ってった花材に加えて現地で支援しださっている方の山で花材調達をし本番を迎えた


おれ自身は 今回の本番中は 活け手の後ろに控える介添人を務めさせていただいていて、(茶会で言う水屋の仕事にちかいかも) 活け手の 手の動きや花の置き方、呼吸をみて、つぎに何をするか判断して花や道具を下げたりする。一時も目を離せない。。 なにが言いたいかというと、自分の状況上、デモの様子の写真を撮れていないということ。   みなさん  ごめんなさい。  しかし、 すばらしい花が活けあがりました。


 写真展示のほうでは、いろんな意味で重量感のある五作品の最後に、 銀閣寺裏の花桃の畑から採れた つくし と雑草を活けた 小さな”立て花”があるのを見て 救われたひともいると思う。
  

 今回の デモでの花も、 そんな 赤ちゃんみたいな 花だったと思う



 佐野珠寶という花人も その真こそ変わることがないが、こういう回を重ねるごとに、どんどん進化(変化)していっているなぁ と横から見ていて改めて感じたデモンストレーションでした。  


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2011年05月08日

銀閣寺の裏山ニテ



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お寺に咲いていた、天晴れな牡丹の花と。




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 現在 銀閣寺花方・珠寶先生とその花を、カメラマンさんが毎月のように撮影をし、写真を撮りためている。




 珠寶先生の周りには何人もの本当にすご腕のカメラマンがついているから、その 所作の美しさや、色彩、ライン、呼吸の美しささえも 、逆にファインダーを通すことで明確に見えてくることもある。

そう考えたらより世間に伝えれると思うと、なんだか不思議と安心感を覚えた。







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2011年03月20日

身近にあるたからもの

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今日の銀閣寺での稽古花は、この日のために咲かせた梨の古木の花などを持っていった。 あとは苔むした山桜の枝ぶりのよいものや、最近おれがハマってる雲仙躑躅 など。

このチームのお稽古ではあらかじめ花宇でお稽古用に切り分けた花材を渡すのではなく、できるだけその木の自然の姿から自分の活けたい枝を見極めてもらうために、あえて花材を株ごと掘り起こしたものを持ってきたり、山から切り出した姿のままの枝をがっさり持ってきて、みんなに選んでもらってる。 自ら歩いて自然のなかで花材を探す珠寶先生の考えにできるだけ沿うように考えた結果だ。

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今回の梨の枝は、2年前に偶然長野県のとある古い民家の裏庭で見つけた古木のもの。
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木は一般的に古木になり年数が経つと、毎年伸びる枝の長さが短くなっていく。
若いうちは一年に何十センチも枝を伸ばす木が、ある程度の年齢に達するとだんだん一年に伸びれる長さが短くなっていく。 この梨の枝のようになると最後のほうは一年で数センチ単位しか伸びていない。 こういうふうな状態になった枝を”締まった枝”という。

  この枝先を切り取った部分が、日本人の感覚に”風情”となって感じられ、ちいさな花器に納まったときにその年数の分、やはり美しさを発揮する。 それは若い枝では出せない味だ。  

こういう枝になっている部分を遠くからでも見極めれる目とか、木の光る部分を見極めれる目こそ、花宇の仕事の重要な要素になる。



 持ち主のおっちゃんが邪魔だと言って切り倒そうとしていた梨の古木を、

 ”この梨の木は宝物のようなものです。毎年おれが枝を買いにくるので切り倒さないでください”と言って以来、去年も今年も切らせていただいて、いけばななどに使ってもらってる。  



 梨は、幹肌が黒くてぶりが男らしく、花は素朴で可憐。美しい。 

ふと田舎の片隅に眠っている、たからものだ。 

posted by seijun at 22:55| for ikebana , いけばな花材

2011年01月08日

新春 そして




今日は朝いちは梅の木を探しに周って、そのあとは銀閣寺へ新年会に行ってきました
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毎年1月7日は 足利義政公の命日なんです。




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新しくできた 研修道場の床の間には、前に切った柳があり、葉牡丹と蛇の目松。 




 新春、  ですね。




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これは大書院で活けられていた、立花風たてはな。 

見た瞬間、

”おっこれは?” 

 とおもって、なんとも不思議に思っておもわず上から覗いてしまった。そしたらやはり苔木が真だった。つまり最初にたてたということ。 紅白の若い梅は沿だった。 おもしろいです。
そして小さな葉牡丹が入ってるとこがフェミニンやなぁ




あ〜午前3時半。いまようやく仕事がおわった。あと数時間もすれば極寒の信州へ、4、5日間山こもりに出発します。毎年恒例の、桜の切り出しです。

男だらけ汗だらけの戦いのはじまりです。



posted by seijun at 03:36| for ikebana , いけばな花材

2011年01月06日

本物志向

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今日は南青山のにある、45rpm という服屋さんに黒松を搬入していた





その45rpmの新年会のディレクションをしている、石澤由美子さんの依頼だった


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おれが注目している花人のひとりで、 石澤さんとはひょんな縁で知り合った。 昨年プラントハンターをテレビで観た彼女のお父さんが、”自分の娘と一緒に仕事したらええのに”と思ってくれたらしく、石澤さんにうちのことを話したことから、興味を持ってくれてある日突然電話がかかってきた。 
 そのとき初めて話した印象が深くて、 すごく花に対してまっすぐなひとやなぁと感心したのを覚えている。それから幾度となく石澤さんの現場で花宇の花材を使ってもらってる。 

 花に対する姿勢も素材に対する意識も非常に高く、目も肥えている。そんなひとだから、おれたちが用意する枝一本の価値がどういうものか、わかってもらえる。若いおれが言うと変に聞こえるかもしれないけれど、 話していると”ああー この人わかってるな”と思うことがよくあるし、いけばなの家元でもないのにどうしてこんなことを知ってるのだろうと思うことがある。 
 

今回は 正月ということで、自然風というよりは 末広がりの、清廉と葉がきれいに仕立てられた黒松の選んだ。

 おれも石澤さんも 場所とイメージにぴったりで、サイズ感も幅奥行き高さすべて完璧だった。 この黒松が原綿でできた、めでたい富士山とぴったり出会い、最後まで立ち会うことはできなかったけど、天晴れな新年会を演出するやろなーと思った。
  
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写真にのせてないほうの松がかっこよかったんやけど。

 45rpmはおれが言うまでもないが、相当 意識の高い服屋さんだ。たまたまおれも大好きで、実はこの10年くらいはプライベートでは、いつもどこかに45rpmのものを着ている。 
  だから今回のお仕事で本社や本店を訪れたがやはりその本物志向に感心した。 それにこの新年会のために、大工さんが10人くらいせっせと準備に追われていたが、このご時勢にそれだけ大規模なたてこみをしてまで新年会をするとは、本当に粋だと思う。



松の搬入が終わるとタクシー飛び乗りまた本作り。 徳間書店のスタッフもおれもすこしでも時間が合えば、会って進めていってる。新幹線が出発する直前まで品川駅で録音し、植物のことを熱く語りすぎて本当に声が出なくなり、時間いっぱいまでつめたら新幹線に飛び乗った 
posted by seijun at 00:15| for ikebana , いけばな花材

2010年12月29日

今年の抱負

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正月用花材の出荷も今日で終わり。

明日29日でいちおう今年の仕事納です。今年もいろいろあったなぁ。。。 





今日は珠寶先生と銀閣寺の正月用の花材を切りにまわった。
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 しかしこうやって好きなことを毎日やれてることがなによりやと思う。銀閣寺の花を心配りさせていただけていることも、本当に光栄なことやなぁと今日大きな柳の木の上で枝を切りながらふと思った。

 この仕事をしていることもある種自分のバイオリズムになっている。これも珠寶先生をはじめとした、銀閣寺様のおかげだと思うし感謝している。

 
 今年一年は 。。。というとなぜかあまり記憶がないんやけど、 でも、 本当にやりがいのある仕事やおもしろいとたのしめる仕事が多かったように思う。 いや毎年そう思える仕事が増えていると思う。

 うちの会社は、植物全般の生産卸業という立場にあり、本質的にはブツを動かしてナンボの世界だ。 毎日の注文に応えるべく黙々と植物を調達するのが日常だ。 
 しかし植物をやりとりするうえで人との関わりがすごく大切な仕事でもある。(どの業種もそうやと思うけど)
 やりがいのある仕事を与えてくれるひと、おれを夢中にさせてくれる仕事を与えてくれるひと、 儲け話?をもってきてきれるひと、チャンスを与えてくれるひと。  いろんなひとがいてて、そんなひとたちがおれにチカラを与えてくれてます。
 また、お金に目がくらんで悪いことをしている人やおかしなことをしているひともまた仕事を与えてくれることがありますが、そんな”クソッタレ”もまた、ある意味おれにチカラを与えてくれます。



 そしてそんなチカラは、おれがまたたくさんの木や花や植物たちを運ぶエネルギーに代わります。

今年もたくさんのひとにお世話になり感謝の言葉もないですが、 来年もまた今年よりもちょっと大きい人間になってすこしでも恩返しできるようがんばります。 
posted by seijun at 01:23| for ikebana , いけばな花材

2010年12月13日

どん



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法話をなさる有馬頼底 猊下   香港大学の博物館ニテ




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そして、珠寶先生のお献花、千さんのお献茶。宮田まゆみさんの笙の音色に合わせて。

今回は博物館での吹き抜けのホールという場所もあり、真には長く天にのびた竹がたった。 
この竹は、今回の香港での国際交流プログラムを影から絶大な協力をしていただいたアビーさんの庭から切り出したものだ。 この真に日本から持っていった舞扇、妙蓮寺などの椿に、雪柳、小菊、そして、おれが作っている桜の公園の地主さんからいただいた紅梅のズバエ、そして、落ちたら死ぬ高さから切り出した大王松の小さな枝。
図らずとも、今回の香港での国際交流プログラムの花もまた、松竹梅となり、2008年のパリでの花を思い出した。また、千さんとのコラボはあの今年のブルー美術館を思い出させてくれた。

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みなさま初めてみる たてはなの美しさに魅了されていたけど、ここで重要なのはたてはなの一番重要なとこは目に見えない部分。つまり花瓶のなかにある。 こみわらという最もプリミティブな花留めに真っ直ぐに挿さる花たちは互いに交差しない。そして、この目に見えない部分は、水際からたつ花の姿が美しいほどその重要性が位ひきたつと思っている



香港大学でのデモでは、一番前の席に、90歳になる草月流の先生(欧米人)のかたが目を凝らしてその様子をみていてるのを見て、すごくうれしかった。
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もうひとつ特筆すべき点は、ひとつの花が花瓶にたつまでの行程のなかでの裏方さんの多大なるサポート。 千さんの水屋はいつもの三浦大徹さん、珠寶先生には豊田由美子さん。彼らの気遣いと身を粉にして働くその部分も花が美しく映る要因になっていると思う。 今回は香港にきて、現地の方の動きの早さや気遣いにも脱帽した






うちあげ後
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有馬頼底猊下が、この慈照寺の国際交流プログラムはシリーズ化していきましょう、とご挨拶されていたのが、さいこーやった




posted by seijun at 21:44| for ikebana , いけばな花材

2010年12月09日

香港へ


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昨日午後香港入りし、昨日と今日は、珠寶先生と、今回の慈照寺国際交流プログラムの主催者さんとスタッフみんなで、現場となる香港大学や博物館などを視察した。 花市場に出掛けたりバケツを買いにいったり、準備を進めている。

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日本から大事に抱えていった花材はホテルのおれの部屋へ。






そしてプラントハンティングも。
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香港は意外に山が多い。 聞くと香港の80%は山のままだという。






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車で山道を走っていると目に飛び込んできた崖に生えていた白い花。 すぐにわかった。 


 ”四川大頭茶”!

日本ではちいさな苗を大事に育てているレベルやけど、現地に生える原木を見て感動した。夢中で崖の木の上に登り、できるだけいい感じのつぼみの部分を探した。




そして珠寶先生の手元へ。
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おれが知っている四川大頭茶という品種は葉っぱがとんがっているけど、香港の山のやつは葉っぱがまあるい。葉っぱにも愛嬌があってよい。おもわず四川大頭茶と呼んでしまったけど、産地を考えると、 品種的には ”大頭茶” と呼んでおけばまちがいないやろう。

 
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さあ今回もどんな花がたつか、非常にたのしみです。
posted by seijun at 18:43| for ikebana , いけばな花材