2010年10月25日

シダ植物とモラルとステキな出会い

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シダ植物というと、山のふもとに生える足元に茂る葉っぱと思いだすかもしれないが、オーストラリアのタスマニア と、ニュージーランドには、固有の耐寒性の木性シダが生息している。つまり、木のように幹が大きくのびていくシダのこと。

もう4,5年前かな、おれが初めて市場のトレードフェスタで数年前に木性シダの ディクソニア・アンタルクティカをお披露目し、数ある植物の仕入れ業者さんを驚かした木だ。

また、過去に某百貨店の大ステージに、貸し鉢業者のうちのお客さんが 
”夏のディスプレイに沖縄のヘゴの5〜7m の木を使いたい”、
というので、おれは”百貨店内は乾燥しすぎるから、代わりにディクソニアを輸入して使ったほうがよい、耐久力が違うし、なにより迫力が違うから”
と言ったが その業者さんは”そんなに無理しなくて良い”ということでおれの反対を押し切ってヘゴを百貨店に搬入し、見事に三日でヘゴは枯れた。 植物を扱うプロなら、本当は幅広くいろんな条件に見合う木を知っていたほうがよいといういい事例やったように思う。ディクソニア・アンタルクティカは、幹がしっかりしていることと、シダなのに割りと乾燥にも耐えることと、なにより耐陰性と耐寒性を兼ね備えている次世代のオナメンタルプランツやと思う。


 今日。来日されている国連の方が、ひょんなことでうわさを聞きつけて、会いに来てくれた。オーストラリア人の彼女はタスマニア出身で、日本には重要な環境問題などの会議などでたまに来られているようだったが、彼女は特に植物を専門をした環境保全の仕事に携わっているということで、田舎で自営業をやっているおれには”国連って、なんだかよくわからないけど、とにかくすげ〜!”と思いながらも、5分後にはとにかく植物の話に夢中になっていた。

 植物を愛する人間同志をいうのは、本当に距離がすぐに縮まるもんだ。

タスマニアの固有植物の話になったとき、ふと、木性シダの話題になると、 ちょうど彼女が、タスマニアから輸出される観賞用の木性シダの許可書を発行しているひとだと知った。 そういえば、これまでも輸入された木性シダは全て一本一本シリアルナンバーの書かれたタグが付けられていたのを思い出した。ジャングルから違法に採取した木を輸出するのを防ぐためのものだ。 

 それにしても、人生はいつも ふさわしいタイミングでふさわしい人と出会わせてくれるもんやなぁと、つくづく感心する。 おれはいっつもそうやって人との出会いに恵まれて植物との出会いに恵まれてきたなぁと思うわ。

 plant hunterという言葉が、普通に会話に出てくるなかで、おれ自身世界中を植物を探して歩いているが、これからの植物業者というのはモラルがキーになると思っていると話した。
 プラントハンターというのも2種類あって、 金儲けのために手段を問わず植物を集めるヤツと、自然をリスペクトして、段階を踏んで準備を整えて植物を採取し、その結果植物のすばらしさを伝えるひと。おれは後者でありたいと思う。 


余談だが、最近、いけばなで使う柿を古い枝を捜していたら、近くのある古民家にいい枝ぶりのものがあって、枝を売ってもらえないか?とその家の主人に訪ねたら、 ”昔 若い男が2,3人で来て、やはり枝を売ってほしいと言われれて、少しだけ、と答えたのに、無理やりたくさん枝を切られて怖かった”と話してくれた老人を思い出した。 また、去年も近くの植木屋さんが、”うちの山の椿とムベが誰かに勝手に切られた”と怒っていたのも、そういうのを聞くと、本当に胸が痛くなる。 おれもかつて、自分の山のドウダン躑躅や鶏頭が勝手に切られていたり盗まれたりしてすげーむかついたことがあった。 やはりこれからの時代は、植物を扱う業者こそ、モラルが問われる時代やと思う。 
おれはモラルある業者でありたいと思う。

 話はそれたが、 とにかく、オーストラリアに行くのがすごくたのしみになった。年明けくらいのクイーンズランドに巨木を探しに行く予定やったので、ついでにタスマニアにいって、すげーかっこいい木性シダを仕入れて、彼女にシリアルナンバーを発行してもらおうと思った。 
 

 
 


posted by seijun at 01:24| for landscape , 庭木