2011年02月28日

博多から帰ってきました。



無事納品を終えました。




メインの桜は、幻の大山桜にはかなわないものの、エライことになっているよ。
 ガッハッハ! 



3月3日には何万輪という桜の花びらが開いていると思います。


週末には満開になってる予定です。8日マデ飾られる予定です。




IMGP0187.JPG
天然記念物の大村桜も、咲きました






 きのう昼いちばんから仕事してから36時間、20分のごはん休憩2回を覗いてぶっ続けで働いいたら、昨夜仕事終わったあとは歩きながら寝てしまった。 


あーつかれた。 でもたのしかったー


まだまだちゃんと花ひらくまでホッとはできないが、とりあえずたのしかったー

posted by seijun at 22:31| diary

2011年02月27日

桜に教えてもらったことと、おれにできること


ショックで固まっている時間すらおれにはなかった。

感情が移入するのはなにも大きなプロジェクトだけではない。入ってくるひとつひとつの仕事を大小に関わらず着実に用意してこなす。それが卸屋やと思うから。 

気を使って、”忙しそうだから。。。”とお客さんに敬遠されているうちはまだまだおれのことを理解してもらってないだけだし、 でもどんなに花宇がバタバタしていても、”たのむで!”と、普通に注文をくれるお客さんはすばらしい。



しかし博多の桜プロジェクトはたしかにだれにも言えないようなプレッシャーだった。大山桜がヤバいと判断した日から、いまの瞬間までもう目の前がぐちゃぐちゃで。。。





しかし。

 実はこのプロジェクト、万が一のことを考えて、あらかじめそれに変わる陽光桜の大きな切り枝を2本、修二おっちゃん(おれの叔父ちゃん)の温室に用意していた。 

IMGP0109.JPG




しかし正直、2本合わせたとしても大山桜の存在感に比べるとボリュームダウンは否めない。しかしそれでは男がすたる。必死で頭を回転させて思いついたのは日帰りで福岡に飛んで、同じ6m〜7mの陽光桜の枝をゲットしそれに加えるという発想。

それしかない! と意気込んだけど、おれにはたくさんの責任があって、どうしても動けなかったら、正二さんと見習いが嫌な顔ひとつせず、休みを取らずに早朝から起きて福岡県に飛び桜を切って大型トラックで輸送してくれた。 

相当助けられている。 花宇には見習いの3人以外は全員ベテラン。しかもうちには藤原というおれと同じ年の女社員がいて(ちなみに同じ中学校)、おれより花宇歴が長い。こいつがいまとなっては花宇の中枢になっているのだけれど、今回の気が狂いそうな開花調整に昼夜関係なしやってくれた。
IMGP0032.JPG


IMGP0116.JPG


 おれはよく、”正二さんや藤原がいないとおれは生きていけない”と話すがこれは正直なところだ。 

 開花調整というのはどうやってやるかって、それは温度とか湿度とかなんやけど、それを見極める職人の目が一番大切。気を抜くと本当に失敗するから、いままでは常におれと親父が責任を持ってやってきた業務やけど最近はスタッフの士気が高く、全員野球でやっている。 あとからダメもとで急遽切ってもらった陽光桜はなかなか蕾が膨らんでくれず、毎日抱きついて寝たい気分だった。





とにかくこの残された奥の手の桜は


死んでも咲かす

もう失敗のゆるされない状況だった。

夜は 桜のことを思い続けてもちゃんと咲くわけじゃないから寝ようって何度も思いながら何時間も眠れないでいた。 テレビをつけたり、クラシックギターをゆっくり弾いてみたり、クソおもしろくない本を読んでみたり。 毎日寝るための努力をした。





怒涛の一週間はすぎて、



修二おっちゃんの協力もあり、最後のたのみの綱の陽光桜は、完璧に思い描いた状態に開花調整することができました。



”桜がひとつも咲かなかった夢を見て、おお泣きして起きてしまった”と藤原は笑っていた。





今回の桜の大山桜の花は、自分がまだまだ修行が足りないことを教えてくれたし、人生が思い通りロマンチックにならないことも教えてくれた。







posted by seijun at 04:11| diary

2011年02月26日

桜のゆくえ

IMGP0134.JPG



博多阪急百貨店オープンの桜の話です。

http://blog.hanau.jp/article/42792748.html



たくさんのひとに応援していただいておりました。 また、たくさんのひとの協力を得て進めているプロジェクトです。

花宇は現在たった10人でやっている会社なのでこういう仕事になると、おれたちもみんな一丸となってやっています。




これだけの規模の桜を人の手で咲かせることへの意気込みや主旨は、語り足りないやけど、いままでお伝えしてきたつもりですが、いまからちょうど10日〜2週間ほど前にだんだん芽が膨らんできたのを確認した。 

 よしよし 思ったとおりの進み具合や。

とくにメインとある大山桜は大きいだけに慎重に毎日毎日芽をチェックした。

 このほかにも、九州中からあつめた本桜、八重桜、山桜、黄桜、陽光桜、緋寒桜、さくらんぼ、雲竜桜、御殿場桜、牡丹桜、河津桜、玖島桜、大村桜、名前の特定できない桜。。。

 みんなそれぞれ咲く時期がちがう。これらを2月末に納品し、その三日後にちょうど8分咲、一週間後に満開になるように想定して調整しているわけです。

しかし自然のものをあつかっているから思うようにいかないことも多い。 

この時期になると、何百件と開花調整をこないしていかないといけないので、頭がごちゃごちゃになりそうなところをがんばります





10日くらい前のこと。

その日の朝もいつものように起きて、1号温室に入り、桜の咲き具合をみていると、おおきな13mの大山桜から、きみどり色の芽がぽこっと生まれているのを発見した。

























 絶望。



















やってしもた。



地球がひっくりかえるくらいのショックだった。


あれだけみんなに応援していただいてきたのに、花芽と同時に葉っぱの芽がでてきてしまったのだ。


ひとりでパニックになりそうになりながら、落ち着いて、 どうしようか。
でも泣きたい気分だった。 


いままで幾度となくピンチを乗り切ってきたし、奇跡を起こしてきたのに! あんなにいろんなひとに協力してもらってここまできて。。。
 みんなに励まされて、”きっとなんだかんだ花宇ならできるだろう”って信じてもらってきたのに。




 愛されていないのやろか。泣 


IMGP0147.JPG



もう時間はまってくれず今日は積み込みの日。桜たちがとうとう博多へゆく日です。 

posted by seijun at 18:48| diary

2011年02月23日

砂漠のバラとアイデア

_MG_0682.jpg

_MG_9446.jpg
 写真:宮本敏明



 



 砂漠のバラ、という植物を知ってますか。


学名をアデニウム という。    おれが溺愛している植物のひとつでもある。 いやぁっていうか、本当にアデニウムのことは好きだ。


アデニウムは中近東や熱帯アフリカ原産の植物やけど、園芸植物としてひろく栽培されているのでおれも過去に何度か海外から仕入れていたけど、やはり本場のものは、次元がちがう。
 
 いやぁ今回の旅でますます好きになった。



ちなみにこの植物に関しては、山羊は興味がないらしい。


おれは アハマドにまず質問を言ってみた。



”この島に一体 いくつくらいアデニウムが生えていると思う?”

”アデニウムは絶滅危惧種じゃないよ。見てのとおり、数百万個はあるかな。。。”

”そうやね。なら、この数百万あるアデニウムから、たった10個でいい、すごいと思えるアデニウムを、ちゃんと許可をとっておれにハンティングさせてくれることができたら、日本にちゃんと許可を取って送れることができたら、たくさんの日本人に見せることができるよ。 おれが扱う植物って、アハマドが想像できなくらいの人にみてもらってるんやで。この美しくて神秘的な植物をそれにふさわしい場所で見せてあげることができたらきっとイエメンやソコトラに興味を持つ人が増えて、この島の活性化にもつながるよ”

”たった10個でいいのか!? そんなの簡単だ。 それにひとりでも多くの観光客が島にきてくれるのをみんなは望んでいる” 

”それにこのアデニウムの赤ちゃんをみてほしい。 こんなかわいいやつがあるなら、日本で売り出したら信じられないくらい売れると思う。だからまずソコトラの島の植物を世界で初めて輸出できるきちんとしたルートをつくろう。 そしたらおれが日本で販売するからさ。 そうすることで、 植物を生産することが生活の糧になるならこの村のひとも喜んで植物を育てると思う。 地元の活性化になり雇用を生み出すシステムができれば、アハマドはたくさんの人を雇ったり指導してもっと多くのひとにソコトラの自然を守る作業を手伝ってもらえる”
 
”グッド。。。”

”おれはそうやって、各国のひとと関係を築きながらいままで世界中の国をまわっていままで植物を集めてきたん。 おれと親父が過去に集めた植物は1万種類以上やで。笑  こういう世界遺産になった場所の植物ハンティングはいままでにないけど。。。 おれが初めての人間になりたい    植物の輸出入っていうのはいわば国と国との契約だからあとはどうやって特別許可を取るか、やなー”

”それはなんとかなると思う”

”だいたい政府っていうのは本当に環境のことをシラナイから困るときがある。 ほら、ソコトラ島だって植物どころか種や死んだ植物ですら持ち出せないやん。それってもちろんいい規制だと思うけど、本当にここの自然を守りたいなら、固有の植物を持ち出すことを禁止することより、外来の植物を島に入れないように規制するほうがよっぽど大切だ。 持ち出されたものは価値があって世界のどこかで繁殖されるかもしれないけど、もし外来の植物や動物が入ってきて生態系が乱れたら固有種がさらに危険にさらされてマダガスカルみたいになってしまう。。。  絶滅危惧種ほどハンティングして人の手によって増やさないとあかん。 見識と知識のある人間が植物を触るのはいいことだ。
 でも政府はアホやから、そういうことを理解できないときもあるね”


 ”おい、帰りのチケットを変更することはできないか? あと2日すればおれの大親友の環境大臣が島に来るから会ってほしい”

 ”賛成だ。おれも会ったほうがいいと思う。そしてちゃんとした植物を生産する体制と輸出するルートをつくろう。 しかし帰国の日程を延ばしたら、おれはみんなに殺されるよ。。。”

”次の機会だな” 

IMGP0670.JPG
写真:宮本敏明
 

  

最終日








 プラントハンター アハマドと距離が縮まってきた最終日の夕暮れに彼の大切にしている場所につれてってもらった。
 
おれが日本人が好きそうな植物を、彼らに増やしてほしいと思っていろいろと教えた。

夕暮れにそこで、その崖でしか取れない珍しい乳香の木の枝を採集したり、地元のひとが危なくて上れない場所に生えていた絶滅危惧種であるドルステニア・ギガスの枝を採集していたときに幸せの波が寄せてきた。
アハマドがおれの採集した植物を育苗場にもって帰り挿し木するためだ。

自然を守るためにプラントハンティングする。 かっこよすぎるけど、 それと同時にたくさんの人に利益をもたらしたりできたらすばらしい。おれはおれで好きな植物を手にいれることができるし、稼ぐこともできる。 植物のハンティングや自然を守ることはきれいごとではなくて だれかのためじゃないと大きな力にならないからそれでいいのだと思う。 もっと平たく言えば、”儲かるから植物を育てよう”と思うひとが将来ソコトラに増えればおれの作戦は成功だと思うし、いいことだと思う。 

_MG_0590.jpg




最終日の帰りの車は思い切りたそがれた。

毎日死ぬほど夕日がきれいやったけどその日に限って曇っていたのでまた来いよってことなんやなぁとおもった。




いつもキャンプ地への帰りみちに時間がきたら、水のある場所に止まり、 
 そこで体を清めて、お祈りをする。

みんなイスラム教徒だからだ。




初めてお祈りの時間を共にしたとき、巻きスカートをしている理由もよくわかった。 
まず蹲踞の状態になり、小便をし始めてそれから手や足やペニスを水で清める。分かり合いたいから、できるだけ近くに寄って体験したいと思った。彼らが夕日に向かって股を開いて小便をする音が、なにも音のない自然のなかで聞こえたときは少しだけ同じ人間として時間を共有した気分になれた。




 彼らがお祈りをするときは、おれも体を清めて一緒にすわり、毎日座禅を組んだ。 

おれも小学校低学年から12年間ほど、週2回かかさず座禅をしていたけど、久しぶりに岩の上や道端で座禅を組むとすごく気持ちよかった。 





IMGP0630.JPG

ソコトラでの日々はとにかく最高でした。 ドラゴンの衝撃は想像以上だったことも、声を上げてしまうようなアデニウムに会えたことも、まだ名前のついてない新種を発見できたことも、毎晩ロマンチックな星の下でお酒の代わりにケニア茶を飲みながら語らえたことも、乳香の香りも、とあるシッサスの幹の部分が硬かったのも、全部最高だった。 




日本に帰国した次の日の朝には、日本で唯一園芸業界でフェアトレードの承認を受けている会社の常務さんとコーヒーの飲みながら、桜の注文の話の合間にソコトラの話をしていた。




  おれはどこまで地元のひとに受け入れられたのか。

 わからないけど、いまこうやっておれんちで、帰り際にもらった宝物の、ドラゴンの血の染料で模様を塗られた香合をみているとなんだか次にソコトラに行くのがたのしみになってくる。   



posted by seijun at 23:45| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年02月21日

驚きと真実の島

IMGP0058.JPG


むかしアラブのえらい王様が、 ソマリアとイエメンの間に浮かぶ、その小さな島に貴重な植物があるとしてプラントハンターを送り込んだそうだ

彼らの目的は、

万能薬とされたアロエ、

ドラゴンブラッドツリーと呼ばれる植物から採れる”シナバル”、

そしてボスウェリアという木の樹液 である”乳香”だった。



おれも世界中を旅して、いろんな植物を集めるようになってから10年、そろそろ行こうかなと思っていた島だった。


首都サナアから、先日の桜の木がちょうど入るくらいの飛行機にのり、さあいよいよ目的の島へ。



飛行機から島が見えた瞬間
IMGP0159.JPG








ところで世界遺産に登録されたばかりの島の植物をハンティングするというのは、プロの目から見てどうもチャンスが少ない。 趣味家が旅行がてらのちょこっと現地の植物を持ち帰るのと訳がちがう。 違法に植物を採集するわけにもいかないし、手荷物レベルの少量の植物でどうこうしたいとも思ってない。もちろんだからといって観光や研究目的に、ただ写真を撮りにのんびり行くつもりもなかった。  

いままでさんざんいろんな国を訪れて経験したからわかることなんやけど、 こういう保護されている場所でのプラントハンティングはその国の助けと、地元のひとに歓迎されるかどうかで決まる。  

 
おれが今のタイミングで行こうと思ったのは、その島で絶滅危惧種の植物をハンティングしてきて栽培し、また山へ植え戻すという仕事をやっている現地の一つの家族の存在を知ったこと。


また、エジプトでのデモがあってから、万が一これ以上イエメンの情勢が悪くなってアクセスが悪くなるとそれこそ行けるタイミングをのがすかもしれないと思ったからだった。 







島について、粗末な空港をでると4WDで宿へ移動。 気分が高まってきた



空港をでてものの5分、 穏やかで極上の色をした海が見えてきて、道からみえるラグーンに フェニックスダクテリフェラが生えていて、シッサスのみたこともないようなものが岩場に見える。  上の崖には幾何学的な形をしたユーフォルビアや垂直な崖から上に伸びている”きゅうりの木”が見えた。

IMGP0165.JPG


 ありえない。



ああー



やべー



幸せ。






ムーミンの世界みたい

IMGP0443.JPG




ジブリの映画の世界みたい




 

天国みたい。






地球の未来みたい。







IMGP0324.JPG

2日目にはいよいよずっと憧れていたドラゴンに会いにいった。  山を歩いて1時間ほど、景色がかわってきて。。。。



IMGP0329.JPG



そして
IMGP0377.JPG




おれの頭の線をブツっと切ってくれたような衝撃だった。 初めてみたときは音が鳴った。



いままで数知れず植物を見てきたけどこれはさすがに言葉に表せない。


ひとしきり感動したあとで、ゆっくりゆっくり体に染み渡ってくるパワーを吸収して、そのあとまた探索。 がけっぺりも。 
ディレクターさんが崖の横で足を滑らしたのは死まで1m。 体がゾクっとした。
”死んだらダメですよ!”
”まだまだこんなとこでは死ねません”



IMGP0343.JPG

 そんな崖っぺりに、カランコエの可憐な花を発見。 


ソコトラ島での植物ハンティングはまだ早い。 おれには高嶺の花だけどいつかはちゃんとしたルートで手に入れてやる、と誓う。





昼飯はドラゴンの下で。さいこーでした。

メシを食ってうろうろしてると、ようやく心が落ち着いてきてようやくじっくり周りを見渡せるようになりました。そしたらその景色にちょっとした違和感を発見したのだけれど。







そうそう、メシはうまかった。毎日毎日 キャンプサイトで出てくる 揚げた魚とカレーとご飯という同じメニュー。
   おれは島に着いてからどういうことが食欲がすごくて毎日おかわり。 持っていったカップラーメンもみんなでありがたく廻し食いした。  4日目に、”今日はちょっと別のものを食べようか”ということでレストランに行きたいとガイドさんに言うと、” どこにいっても同じメニューなのにどうしてわざわざレストランで食べたいの?”と返事が帰ってきた。 ここのひとはみんな一生このメニューを食い続けるようだ。 
 



IMGP0260.JPG


おれが会いにいったアディブさん。 彼こそ この奇跡の島の絶滅危惧種の植物を山でハンティングし、育苗場で育てているひとだ。
息子さんと主にふたりでやっている。息子さんはアハマドと言った。

  この奇跡のソコトラ島の植物がいかに貴重なものかは想像に任せるとして。。。 
 彼らがやっていることは深くて尊い。写真からもわかるようにソコトラ島には地球でもっとも地球に見えない植物が生えていて、どうしても地球に見えない景色が広がっている。 

 山に数え切れないくらいドラゴンなど多様な植物が生えているのになぜわざわざ育てようとしているの?とみんな地元のひとはアハマドたちのことを理解できなかったらしい。
あたりまえのことだけど人々は自然を守ることよりも、自分の生活をやりくりするのに精一杯だ。

けどアハマドは”いまのうちから育てておかないと未来が危ない”と言った。 

ここでおれがすかさず山にいてて気づいた違和感について話した。

”ドラゴン、山にはたくさんすごく大きくて年老いた木があったけど、若い木がぜんぜんなかったなぁ。あれじゃあ老いた木たちが枯れたら、ドラゴンがなくなっちゃうって気づいてたから育ててたんやね”

”正解” 

イエメンという国は、産油国ではないのでアラブ最貧国だといわれている国で、ましてや主だった産業のないこの島では、いまでは観光業だけが唯一の希望の光だ。

この植物から成る景色は世界中にいる一部のファンを魅了し、世界遺産にも登録されてからようやく年間4000人の旅行者が訪れるようになった。ちなみに10年前は来島者は70人だったらしい。   
 もしこの島の最大の特徴である、巨大なドラゴンたちが枯れてしまったら、それはこの島にとって観光業としての致命的なダメージとなる。 そう、この島の観光業が伸びているのは植物たちの作り出している景観のおかげやったということ。 だからアハマドはそれがわかっていて、何十年、何百年後の島のことを考えて植物を増やし始めたということ。 この心意気におれは強く胸を打たれた。


 ところで、ではなぜ若い木が育たなくなったのか。 




答えはこの景色にある、と俺は推測している。
IMGP0218.JPG



島のいたるとことで見られるこのトピアリ状に刈り込まれたような低木は、実はある意味自然の姿ではない。

山羊が若芽を食べてこういうふうに丸くなっているのだ。


おれは日本でも飛び回っているから、同じ現象になっている山をいくつも知っているからわかった。




この島にはそこらじゅうに山羊がいて毎日いろんな草を食いまくっている。
 老村人に、山羊はもともとからこの島にいたのか?と尋ねてみると”自分が子供のことから山羊はこの島にいた”というが、おれはもっと昔の世代に、山羊が外から持ち込まれたのだ気づいた。 繁殖力の強い山羊が豊富な植物の島に放たれたので一気に帰化して住み着いたんだと思う。 
 もっとおれの想像力は膨らんだ。

もし何千、何万年も前からこの島に山羊がいたなら、ここの低木は棘を持つように進化していたはずだろう。山羊がこの島に持ち込まれてから何百年なのかわからない。しかし植物の進化がついてけてないのは当然やな、と思う。 かと言って山羊はすでにこの島にすむ人たちの貴重な財産になっていて、生活の糧となっている。
 皮肉なのは現在の村人たちの財産である山羊たちがこれからの村人たちの未来を支える植物を脅かしている存在だということ。
IMGP0573.JPG


また、アハマドはこの島は昔ほど雨が降らなくなったと言っていた。  これはアフリカから紅海を超えて吹いてくるモンスーンに関係しているな、と思って、
 帰国してから少しだけ調べてみたらやはり地球温暖化が原因だとわかった。これもまた若木が芽を出すのにマイナス要因になっていることも間違いない。 


ということで村人の未来を守るために美しい自然を守る動きが急務なことがよくわかった。 アハマドはそういうこを全部わかったうえで、だれにも頼ることなく植物をハンティングしてきて育てている。 すごい心意気だ。  彼には保護地区を山羊から守る柵を作ったり、苗を作る手が必要だった。




IMGP0533.JPG

ある朝、蚊帳の中目覚めた瞬間おれにはふといいアイデアが浮かびました。


それから、このアイデアを話したあとアハマドは、本当に意味でおれに心を開いてくれるようになる。 次おれがソコトラに行たときには、彼の大親友であるイエメンの環境大臣を紹介したいとまで言ってくれるようになります。
 



今日は眠いのでまた明日かきます


おやすみ〜  


posted by seijun at 02:54| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年02月15日

ただいまです

_MG_2352.jpg



_MG_1486.jpg

_MG_1519.jpg


_MG_2281.jpg

_MG_2330.jpg


_MG_2235.jpg


_MG_2718.jpg



_MG_2831.jpg


_MG_5708.jpg

_MG_5788.jpg




_MG_9053.jpg






_MG_0682.jpg





_MG_7827.jpg



_MG_7966.jpg






_MG_8195.jpg


_MG_8169.jpg

_MG_8508.jpg


写真 宮本敏明    http://miyamocamera.com/
posted by seijun at 21:57| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年02月06日

世界最大の開花調整にいどむ

PB040020.JPG

PB040006.JPG



PB040060.JPG

PB040068.JPG

PB040053.JPG



いま空港の両替所で、イエメンのお金に変えたいと言ったら そんなんは持ち合わせてないと言われた。 関空ニテ



無理やり温室に入れたので、クレーン車がひっくり返りそうになり、興奮した。
posted by seijun at 23:06| diary

決闘


IMGP4247.JPG
大分県には、花宇が毎年頼りにしている花木を委託生産してくれている農場がある。ここで御殿場桜、牡丹桜、御車返し、黄桜 を得た。 



九州中の桜を登りまくって集めた桜たちは、いよいよ開花調整にむけて花宇に出荷できる準備が整っていた




 そしてずっと、九州を旅して桜の枝を集めながら、博多阪急の桜プロジェクト( http://blog.hanau.jp/article/42792748.html  ) でメインとなるべき桜を探していた。




10mクラスの大きな桜、といえば世の中にもそれなりにあるが、

それを2月末に咲、たくさんの技術と知識とが必要であり、しかも室内で展示するということで、いくつかの条件があった




1、 開花促成に対応できる品種であること。

2、 もちろん九州産であること。

3  花宇の1号温室と、百貨店の入り口をかいくぐれる様 、枝が絞りやすい樹形であること。

4、 商用に育てられたもの

5 葉芽ではなく花芽がちゃんと先まで付いているもの。

6、世界一の開花調整になるべき大きさと、ボリュームである、いうこと。

7 冷え込みのきつい場所から採れた桜であること。

8 開花調整にかかる時間を逆算すると1月中にみつけなれければならないということ

9 百貨店の面積あたりの耐加重に耐えれる重さのもの。

10何百万人のひとが見ても喜んでもらえるような天晴れな木であること。
 


この条件をすべてクリアするとなると、世の中の桜の木を探しても、一万本に一本もないと思う。いや、もっと確率的には少ないだろう。

この7点の重要なポイントのうちいくつかは、説明してもわからないと思うので省くことにする。というか、いかに難しいことをやっているかをアピールするつもりはあまりない。


おれはいままでここぞというときはいつも自分の強運に助けられてきたがそうそうよい木がみつかるもんではない。 

しかも、植物全般の卸業をやっている立場ゆえ、他の普段の業務も同時に請けて進めている。出版がちかいプラントハンターの本も移動中に進めているし、今現在進行中のスペイン、グアテマラ、メキシコ、タイとの仕事のやり取りで国際電話をかけすぎてauから”国際電話かけすぎ”と電話がかかってきた。



そんなとき、

大分県を訪ねていたときに
ひょんなことで紹介してもらった大分県にある植木屋さん。 


10m以上の大山桜がある、との情報が!



早速急行するとあった、


あった。 



これはすざまじかった。 花は何万輪とついていて、天に向かって広がる天晴れな樹形で、ボリュームも幅7mと十分。樹勢もよい。

しかし懸念する点として、このでかい桜をいかに工夫して荷造りすればこの大きく広がった桜の木を1.6m以内に絞ることがきるだろう、ということ 。これからこの桜をトラックで輸送したり この巨大な木を温室に入れたり、百貨店の入り口を通さないといけない。






一度兵庫に帰り、いま見つけている木などと入念に見くらべて、できるだけ冷静に考えた。




しかしあの木から受けた印象は、本当にチカラがみなぎっているようで、不景気で明るい話題の少ない世の中に最高の一本だと思った。


そして決断。 さあ掘り起こしに大分へ。


4 - コピー.JPG


2.JPG

IMGP4652.JPG

IMGP4656.JPG


IMGP4662.JPG


IMGP4675.JPG


IMGP4698.JPG

この大山桜との決闘はスリルがあった。やわらかい田んぼの土の横に植えられていたので、大きなクレーンなどは使えず、3tレッカーで吊り上げようとするとトラックがひっくり返り、死人が出るのでトラックをユンボー爪で抑えた。3.JPG

枝を絞るのはとてもじゃないけどゴリラの腕力でもかなわないので重機で締めた。 もちうる道具で、ありとあやゆる作戦。



すばらしい職人たちの技術と、息のあったメンバーで、なんとか2日かかりで積み込みまで完了。
IMGP4240.JPG

無事掘り起こしたあと、食った肉そばが死ぬほどうまかった。



翌日
DSC02199.JPG

DSC02203.JPG




 大きなトラックに積み込むと桜が巨大すぎてトラックのケツから3mくらいはみ出したが、”これじゃあ警察に捕まる!”とグズる運転手をおれが丸め込んで兵庫県まで夜中に走ってもらった。結局九州からはほかのプロジェクトで使う植木や、いけばな花材、委託生産品や例年の仕入れと兼ねて大型のトラック2台満載。




これはおれの持論やけど、 無茶な仕事も 台風のように現れて、どさくさにまぎれていろんなひとを巻き込んで、どさくさにまぎれて仕事をこなして、台風のように去ってしまえばあとは気持ちいい風がふくような感じにおさまるという時もある。  プロが植物を扱うのはとにかく時期とスピード感と、たまにゴリ押しが肝心。 











社長であるオヤジも、九州に駆けつけ、トラックでの積み込みやハンティングに参加、ベースとなる福岡県の農場で合流し一緒に仕事するなど協力してくれているが、おれが見つけた理想の品種と思っていた大山桜の2月末の開花について、リスクの高さを指摘した。 


”大山桜のなかにもいろんな性質があって、たまに早く促成できるものもあるけど、ほとんどの品種はうまく咲かない可能性のほうが高い” 



それを聞いたとき、



おれまじで地球がひっくり返るかもと思うくらいへこんだんやけど、


”もうこいつとやる!”

って決めたからタイムリミットもぎりぎりやったし、いった。 



 (プロとして、お客さんに迷惑がかからないよう、奥の手は用意しているが。。。。)




自分やその仲間がハンティングしてきた、思いの篭ったものをしっかり咲かせてやらなければすべてが水の泡とある。  

これは映画でもなんでもないから、ドラマもハッピーエンドも待っている保障はない。







今度、植物を探しにソマリア沖に出掛けるおれに、 ”いま中近東付近は反政府デモで危ないよ”とたくさんのひとが心配してくれる。



いやいや、そうか。

例えばいま連日ニュースで大変になっている国へ出掛けることより、おれが普段からこの仕事で背負っているリスクや、例えば普段命がけで登っている木のほうが圧倒的に死ぬ確率が高いということはなかなかひとには理解されないだろうと思う。 



IMGP4718.JPG
 
だからおれは植物(命)を扱う仕事をやっているが、植物と対等の立場にいるから覚悟ができているし、この花宇の仕事を誇りに思っている



新幹線より。
posted by seijun at 01:26| excursive plants やんちゃな木

2011年02月02日

一期一会の桜 

IMGP4552.JPG

まず初めに、長崎県に国指定の天然記念物 ”大村桜”というがあるということを知ってもらいたい。

大村神社記によると西大村の旧藩士坂本半次郎がどこからか一本の里桜を大村神社に植えたそうだ。
その木は惜しくも枯れたがいまはその木から採った穂木からできた子孫が大村神社に天然記念物として植わっている。

また、それ以外にも明治の終わりころから昭和初期までいろんな桜を植えられていて、いまでは大村神社を中心とした付近一帯が大村公園となって九州でも名高い花の名所になっている。


これは、長崎県民が誇りに思える桜として、最高だ!と思い、調査を開始。

しかし、大村市中の植木屋さんや造園家さんだれに電話しても、

”大村桜を買いたい”なんてとんでもない、すべての生産されている大村桜は市が管理していて一本たりとも売買できないようになっている、と言われた。


”でもおれならきっと大村市にも大村桜にも貢献できる”

と思っているので、おれが突然大村市役所に電話をかけた。 そんなにすばらしい桜があるなら、ぜひこのプロジェクトで使って、たくさんのひとに知ってもらいたい。 博多駅直結の百貨店だから、何十万人のひとが観ることになる。これは地域活性化にもつながるし、大村公園の宣伝にもなると信じている。  
いち花屋として”この手で咲かせてみたい”という気持ちも正直はあるのは確かだが。




とにかく、さすがにすぐどうこうにもならなかったので、
さっそくプロジェクトの企画書を書き、写真を添付し、自分の思いを手書きで伝える手紙を市へ送った。




返事をまって一週間、

すると、

 ”たぶん大丈夫でしょう”と返事があり、おれは狂喜狂乱した。

これは先週の話。





そして、おれは今日大村市役所へ出向き、
IMGP4553.JPG




市の管理する育苗場へ案内していただいた。
IMGP4560.JPG




樹木にくわしい先生の立会いのもと、すこし緊張しながら門外不出の大村桜に刃を入れた。


市のかたに聞くと、 本当はわけてもらった大村桜の枝は来年市の設立70周年を記念してそこで植栽されるものだったらしい。しかし、その行事がなくなった為、たまたまおれが今年来たので枝を分けてもらえたらしい。 ”こんなタイミングで来られるなんて、西畠さんは運が強いですよ”と市の方が言っておられた。


大村桜が関係者以外の手にわたるのは初めてだという。 


仕事が終わると貴重な枝を荷造りしていたら、今度は無言で次の場所へ案内された。
IMGP4587.JPG





大村神社でした。

IMGP4565.JPG

IMGP4571.JPG



IMGP4569.JPG

IMGP4572.JPG


IMGP4575.JPG


まず初めに、大村神社の境内のなかにある天然記念物の桜の枝に自分が手をいれるとは思っていなかった。 しかし気分が高揚するのと同時に”もし神社の木に手をかけるなら清めないと!”と心配になり大声を出すと、先生も市の人も、神主さんも ”もちろん” ということで、桜に対峙する前に、

水で清め、 塩で桜を清め、おれ自身も塩で清めてもらった。



 桜の周りを囲んでいる結界内に入ったとたん、 体がふわっとしたので、 自分が緊張しているのがわかったんやけど、



”おれもいち武士として、びびったらあかん”

 と思って、ちゃんと桜を見据えて、一礼し、潔く枝を切った。



 なんというか、プラントハンターとして、だれも手に入れれなかったものを手にいれた!という実感はない。でも誇りに思えるような、神隠しにあったような一日だった。

 ここ最近、”愛されているなぁ”と思うことがよくあります。



IMGP4583.JPG
そういえば、役所に行ったときに、おれが作った企画書が置いてあり、たくさんの人のハンコがその紙に押してあったのを見てすごくうれしかったのを思い出した。
posted by seijun at 01:22| for dreamer , 男の夢とロマン

2011年02月01日

ひとときの。。。



IMGP4511.JPG

昨日、銀閣寺にできた新しい研修道場でのお稽古の様子。 新研修道場では花を活けるカタチの稽古だけではなく、それよりもその前に、自分の使う場所を雑巾で清めたり、道具との付き合い方や花を活けるための心得などを学べるようなシステムになり、より一層原点に近い稽古ができるようになる。  おれ自身も30年間、雑に生きてきたが、その筋金の入っただらしない性格を直すのにここに出入りさせていただいているのはありがたい機会だと本当に思う。 

   現在、この道場には予約が殺到している。


今朝は早起きして一仕事。 終えると新幹線へ飛び乗り小倉へ。 一日激しく動いて、最後は博多駅で23時くらいまで打ち合わせをしていた。 さっきひとりでラーメン食っていまはビジネスホテルで体を休めています。

posted by seijun at 00:28| diary